成長を心がけるうえで注意したいフレーズがあります。
「負けを認めないかぎり負けではない」というフレーズです。
そう言っている人を見かけることもあれば、どこかの本で見かけることもあるでしょう。
勝負に負けても「負けを認めないかぎり負けではない」と言いきって堂々としている人がいるものです。
普通に聞くと理にかなっているように思えます。
たしかに自分が負けを認めなければいいことです。
表向きの結果は負けであっても、心の中では負けたことにならないでしょう。
落ち込むこともなく悔しがることもなく、涼しい顔ができるに違いありません。
明るい言葉で前向きに聞こえるかもしれませんが、実は違います。
誤解してはいけません。
前向きどころか、後ろ向きであることに気づいてください。
現実から目をそらすフレーズだからです。
このフレーズの怖いところは、ポジティブに聞こえるところです。
「負けを認めないかぎり負けではない」というセリフは、ポジティブに聞こえますが違います。
ポジティブでも何でもありません。
ポジティブなフレーズではなく、ただの負け惜しみのフレーズです。
負け犬の遠吠えです。
現実から目をそらして強がっているだけです。
人が成長するのは、反省や改善をするときです。
負けるからこそ、弱いところ・悪いところが見つかります。
弱いところ・悪いところが見つかるから補強や改善に取り組め、結果として強くなっていけます。
「負けを認めないかぎり負けではない」というセリフで自分を慰めるとどうなるでしょうか。
負けと認めなくなるので、弱いところがあっても気づけません。
気づけなければ、反省も改善もできません。
弱いところや悪いところを放置することになる。
現実から目をそらすことになるため成長ができなくなります。
たしかにネガティブは吹き飛ばせますが、一緒に成長も吹き飛ばしてしまいます。
「負けを認めないかぎり負けではない」というセリフで自分を慰めていると、落ち込まない代わりに成長も停滞するのです。
テレビやメディアで、試合に負けたプロ選手がインタビューされるシーンを見かけることがあるでしょう。
負けたことについて聞かれたとき、必ず「素直に認める発言」があるはずです。
「私の負けです」
「私の完敗です」
「私の力不足です。それ以上言うことはありません」
一流の選手ほど勝負に負けたとき、余計な言い訳はせず、事実を受け止めます。
だから素晴らしいのです。
だから成長できるのです。
現実を素直に受け止めるから、その反省を生かせます。
「ここがいけなかったのか」と知ることができ、改善することができ、成長につながります。
負けと認めるからこそ、反省と改善ができます。
悪い結果であれ悔しい結果であれ、負けは負けです。
負けを認めることから現実と向き合うことができ、レベルアップにつながります。
口癖があるなら、今すぐ禁句にすることをおすすめします。
「負けを認めないかぎり負けではない」というセリフは、成長に必要のない言葉です。