コミュニケーションで最初に注意が向くのは「自分が発する言葉」でしょう。
どう言えばいいか。
どんな話し方をすればいいか。
言葉も話し方も相手に影響を与えるものであり、慎重になるところでしょう。
もちろん言葉や話し方も大切ですが、それ以上に大切なことがあります。
私たちが見落としがちなポイントがあります。
コミュニケーションで大切なのは「何を言ったか」ではありません。
「相手にどう伝わったか」です。
言葉や話し方に注意を向けるのもいいですが、それ以上に、相手に伝わった内容に注意を向けてください。
「正しい内容ならOK」
「きちんと話ができればOK」
そうした考え方があるなら注意したほうがいいでしょう。
コミュニケーションで大切なのは「何を言ったか」ではなく「相手にどう伝わったか」です。
自分の発言内容だけではなく、相手に伝わった内容に注意してください。
すなわち「相手にきちんと伝わっているか」です。
正しい言葉を発しても、正しく相手に伝わっていなければ意味がありません。
間違って伝わってしまえば、逆効果になることもあります。
たとえば、難しい言葉を使って話をしたとしましょう。
話の内容は正しいものだとしても油断は禁物です。
自分は知っている言葉であっても、相手は知っているとは限りません。
難しい言葉はなじみが薄く、理解されないことが多い。
「きちんと言ったよ。正しいことを話しているよ」と主張したところで、相手が理解していなければ無意味です。
専門用語や学術用語には注意することです。
言葉を理解できなければ、きちんと伝わっていないことになります。
意味が通じていなければ、コミュニケーションは成立していないことになります。
難しい話をした自分に非があります。
コミュニケーションとは「言語」だけではありません。
態度や表情といった「非言語」も、コミュニケーションの一部です。
コミュニケーションは「言語」と「非言語」の両方があることを留意してください。
たとえば、謝罪をする場面があるとします。
腕を組みながら偉そうな態度で「申し訳ない」の一言だけでは謝ったことにならないでしょう。
言葉は謝罪であっても、態度や表情は謝罪になっていません。
相手は「きちんと謝っていない」と理解するでしょう。
ますます怒らせることにもなりかねません。
きちんと頭を下げて、反省の態度を見せることで、謝罪が伝わったことになります。
謝罪の場面に限りません。
感謝を伝える場面、敬意を伝える場面、愛を伝える場面。
励ましを伝える場面、歓迎を伝える場面、優しさを伝える場面。
お願いを伝える場面、お祝いを伝える場面、喜びや悲しみを伝える場面。
心がけることは、すべて同じです。
大切なのは「何を言ったか」ではなく「相手にどう伝わったか」です。
正しい言葉を言うのはもちろんですが、きちんと相手に意味が伝わるようにしてください。
「言えばいい」「話せばいい」と考えるのではなく「きちんと意味が伝わっているだろうか」に注意を向けてください。
正しく意味が伝わって、初めてコミュニケーションが成立します。