「もしものこと」を考えることは大切です。
前もって将来に起こりそうなリスクを考えておけば、回避策や対処策を立てることができます。
策を講じて備えておけば安心です。
起こる確率を下げるだけでも心が軽くなります。
実際に起こっても、スムーズに対処できたり被害を最小限に抑えたりできます。
私たちには「想像力」という素晴らしい能力があります。
高度な想像力が備わっているのは、地球上で人だけです。
人に近い哺乳類の中には原始的な想像力が備わっていることも確認されていますが、高度な想像力が備わっているのは人だけです。
想像力を働かせることで、まだ起こっていないことを頭の中でイメージすることができます。
現実にはない世界をイメージすることも可能です。
人が得意とする想像力を使えば、さまざまなリスクの可能性を探ることがあるでしょう。
しかし、もしものことを考えることはあっても、考えすぎるのはよくありません。
もしものことを考え始めると、終わりがないからです。
もしものことを考えれば考えるほど、深みにはまります。
「あれもリスクがあるな。これもリスクがあるな。どうしよう、どうしよう!」
すべてのリスクが実現しそうに思えます。
ありえないほど小さなリスクまで、考えてしまうようになります。
そればかりか大げさにも感じるようにもなり、不安が増幅されます。
いったん負のループにはまると、アリ地獄のように抜け出すのが難しくなります。
心の中で不安が暴れ出し、気力や体力まで奪われていきます。
妄想が悪いほうに膨らんで、まだ何も起こっていないのに苦しむことになります。
もしものことを考えすぎないでください。
もしものことを考えすぎると、疲れやすくなります。
無駄な時間やエネルギーを消耗するからです。
何もしていないのに、気づけば大きな疲労感に襲われ、ぐったりしているでしょう。
もしものことを考えすぎるのは、精神衛生上もよくありません。
考えすぎるにつれて暗い気持ちになっていき、気力を失うことになります。
考えれば考えるほど将来に対して悲観的になります。
生きる希望や自信まで奪われます。
限度を超えると、うつ病や不眠症を引き起こす可能性もゼロではありません。
自分に問いかけてください。
「もしものことを考えすぎていないか」と。
「少し考えすぎている」と気づいたら、イエローカードです。
「少し考えすぎているかもしれない」と思っていても、油断は禁物です。
心労を減らすために考えていることが、逆に心労を増やす結果になっては本末転倒です。
もしものことを考えすぎそうになったらどうするか。
気分転換をしましょう。
何か別のことをして、意図的に考える時間をなくしましょう。
頭を切り替えて、別のことに注意を向けます。
音楽を聴いたり運動で汗を流したり別のことに注意を向ければ、負のループに陥ることはありません。
すでに負のループに陥っていても、抜け出すきっかけが得られます。