騙された人をばかにしないことです。
簡単な詐欺に引っかかった被害者を見かけることがあるでしょう。
わかりやすい手口であり、誰でも見抜けるような詐欺話があるもの。
信じられないことに、世の中には簡単な詐欺に引っかかる人も少なくありません。
そんなとき、被害者のことをばかにしていませんか。
「恥ずかしいね。自業自得だよね」
「間抜けすぎる。こんな簡単な詐欺に騙されるなんて信じられない」
「どこまで鈍感なのだろう。引っかかるほうが悪いよね」
簡単な詐欺に引っかかった被害者とはいえ、ばかにするのはよくありません。
ばかにする人は「自分は大丈夫」と過信している人です。
ばかにしていると、油断の心が生まれます。
そうして次は、自分が詐欺被害者になるのです。
騙された人をばかにしないことです。
その代わり、敬意を払ったうえで反面教師にしてください。
反省や戒めとして生かしましょう。
まず騙しの手口をしっかり確認しましょう。
巧妙な手口なら、慎重に確認する必要があるでしょう。
「こういう手口なのか。自分も気をつけよう」と思うだけでも、注意喚起として役立ちます。
すでに知っている手口でも、再認識や注意喚起の機会になるでしょう。
「自分も気をつけよう」と思えば、気持ちが引き締まります。
簡単な手口だとしても、ばかにすることなく誠実に受け止めることです。
「自分の代わりに被害に遭ってくれた」と敬意を払えば、ありがたく感じるでしょう。
そのうえで騙された後の対処法も併せて確認すればベターです。
被害者心理にも目を向けてください。
具体的にイメージすることで追体験ができます。
単純な手口とはいえ、自分が100パーセント騙されないとは限りません。
窮地に陥って余裕がないときは、わらをもつかむ気持ちになるもの。
ストレス過多や追い詰められた状況なら、一時的に理性や自制心を失うことは考えられます。
そんなときに「助けてあげます」という人が現れれば、飛びつきたくなるでしょう。
詐欺師は、人が困っているとき、善意のお面をかぶって近づいてきます。
立場は違っていても、自分も被害者と同じ状況なら、同じ行動をしていたかもしれません。
自分も同じ状況になれば「人のことを言えない。自分も気をつけよう」と謙虚な気持ちが生まれるはずです。
敬意を払って反面教師にすれば、知恵と教訓が得られます。
いつ自分が被害者になるかわかりません。
すべての人は不完全な存在であることを思い出してください。
被害者に起こったことは、自分にも起こる可能性があります。
騙された人を、ばかにするのではありません。
敬意を払ったうえで反面教師として真剣に受け止めることが大切です。