高額商品では、一括払いが厳しい人のために、分割払いが用意されています。
一括払いが厳しくても、分割払いであれば、可能になることがあるでしょう。
この「分割」というのが厄介です。
金銭感覚を狂わせてしまうポイントの1つです。
たとえば、欲しいものがあって、それが「18万円」だとします。
18万円だけ見ると高額なので、購入をためらう人が多いでしょう。
そこで販売員は、分割払いを勧める言い方をしてくるでしょう。
「分割払いもできます。12回払いなら月々15,000円です」
18万円の商品も、月に15,000円なら何とかなりそうに思えるでしょう。
「厳しいようでしたら24回払いもできます。月々7,500円です」
18万円の商品も、月に7,500円と聞けば「おこづかい程度だね」と感じるでしょう。
「まだ厳しいようでしたら、36回払いもできます。月々たった5,000円です」
18万円の商品も、月に5,000円と聞けば「楽勝だね」と感じるに違いありません。
分割払いにすれば安くなったように感じますが、ここが数字のトリックです。
注目すべきは「月々の支払額」ではありません。
金利手数料を含めた「支払総額」です。
分割金額ばかり見ないことです。
分割金額だけ見ていると、認識に狂いが生じて、数字のトリックに騙されることになるでしょう。
大きな買い物にもかかわらず、小さな買い物のように感じてきます。
金利手数料は、分割回数に応じて大きくなるのが一般的です。
分割回数を増やせば、それだけ月々の金額は小さくなりますが、支払総額は増えます。
分割金額を見ると安くなったように見えますが、実際は安くなっていません。
むしろ金利手数料が含まれる分だけ高くなっています。
月々の支払額を見ると小さな買い物に思えますが、支払総額を見れば目が覚めるでしょう。
18万円の商品も、金利手数料を含めると、20万円を越える可能性が出てきます。
分割金額を見て「安いね」と思うことも、支払総額で見れば「なんて高いのだろう」と驚くに違いありません。
いかに高い買い物をしようとしているのか、実感が湧いてくるはずです。
大切なのは、分割金額ではなく、支払総額です。
支払総額こそ現実の数字です。
支払総額に注目すれば、夢から目が覚め、現実が見えてきます。
お金の重みがずっしり感じ、お金の痛みがきりきり感じられるでしょう。
本当の経済的負担がわかれば「安い」「高い」という価値判断ができるようになります。
慎重に判断した結果「やっぱり今回は見送ろう」という判断もできるでしょう。
賢明でありたいなら、分割金額より支払総額を見てください。
高額の買い物であればあるほど、分割金額より支払総額を見るべきです。
支払総額を見れば騙されないのです。