初対面では、少し負けておくようにしましょう。
初対面で、勝ち負けを争うような状況になることがあります。
たとえば、議論です。
会話を楽しんでいるうちに、だんだん話が白熱していき、議論に発展することがあります。
議論になると、自分の意見のほうが正しいことを証明したくなって、つい熱が入ります。
理屈を並べたり揚げ足を取ったりして、相手を言い負かせようとする。
頭の回転が速くて口が達者な人なら、うまく相手を言い負かし、議論で勝てるでしょう。
議論に勝てば「頭がいい」「話がうまい」といったアピールもできると思う人もいるかもしれません。
しかし、ここは十分注意したいところです。
相手に勝つと、出会いの後味が悪くなるからです。
相手に勝ってしまうと、出会いの後味がよくありません。
自分は嬉しくても、相手は心の中ではむかむかしているでしょう。
相手は平静を装っていても、実ははらわたが煮えくりかえっているかもしれません。
偉そうにしているつもりはなくても、偉そうにしているように見られてしまいます。
相手に勝つと、出会いの印象を傷つけます。
いつの間にか相手に不快感を与えてしまうのは不本意でしょう。
「そんなつもりはない」と思っても、相手から「感じが悪い」と思われたら終わりです。
せっかくの出会いが台無しになってしまい、その後のご縁につながらなくなります。
出会いで心がけたいのは「少し負ける」というテクニックです。
勝ち負けを争う場面になれば、わざと少し負けるようにしてください。
相手が100と言えば、自分は90と言います。
相手が強く主張してきたら、無理に言い返さず、素直に引き下がります。
「間違っています」と言われても、余計な反論はせず「おっしゃるとおりです」と引き下がっておくのがいい。
知っていることであっても、わざと知らないふりをして、とぼけることも大切です。
うっかり勝ってしまいそうなら、上手にとぼけて、隙を与えることも有効です。
負けるときは「わざとらしく」ではなく「さりげなく」がポイントです。
勝ちたい気持ちや反論したい気持ちがあっても、ぐっと抑えましょう。
プライドの高い人や負けず嫌いの人は要注意です。
闘争心に火がついても、むきにならないこと。
少し負けておけば、相手は気分がよくなって満足してくれます。
うまく場が丸く収まる上、相手は上機嫌になってもらえます。
悔しい気持ちもあるかもしれませんが、表に出さないようにしましょう。
相手がマウンティングをしてきたら、むきになって張り合おうとせず、さっさと負けを認めておくのが賢明です。
「さすがです」「恐れ入りました」「目からうろこが落ちました」などと言っておけばOKです。
納得できないことがあっても言い返しません。
納得できないことは「なるほど」という言葉で受け止めましょう。
深くうなずきながら「なるほど」と言えば、角が立ちません。
相手を受け入れることになるので、会話が続きます。
そういう人は「また会いたい」と思われるようになります。
話を折らず、最後まで聞いてくれる人は好印象です。
出会いを素晴らしくするためには、上手に少し負けて、相手を上機嫌にしていくことがポイントです。
初対面では少し負けておくほうが、いい出会いにつながります。