「嬉しいことが起こってほしい」
「できるだけ楽しい毎日を送りたい」
私たちは、できるだけ嬉しいことや楽しいことを求めようとします。
たしかに嬉しいことがあれば、心は明るくなるでしょう。
楽しいことがたくさんあると、人生も充実するでしょう。
知り合いが増え、仲良くなり、人間関係の輪が広がる。
恋愛がうまくいって、交際に発展する。
仕事がうまくいき、昇進や昇給のチャンスに恵まれる。
趣味や娯楽を堪能する。
ラッキーなことに恵まれ、思わぬチャンスが得られる。
物事が思いどおりに進み、夢が叶う。
毎日が嬉しいこと・楽しいことばかりなら、さぞ人生は幸せのはずです。
一方、苦しいこと・悲しいことは、できるだけ減らそうと思うでしょう。
友人と喧嘩をして、仲が悪くなる。
恋愛がうまくいかず、失恋をする。
大事な場面で結果が出せず、悔しい思いをする。
仕事でミスをして、上司に叱られる。
けがや病気をして、つらい時間を過ごす。
苦労やストレスが多いと、暗い気持ちになります。
時には涙を流し、自分の不運・不幸を恨むこともあるでしょう。
あまりひどいと絶望的な気持ちになり、人生を恨むこともあるかもしれません。
できれば、苦しいこと・悲しいことはなくなってほしいと思うはずです。
しかし、ここに誤解があります。
嬉しいこと・楽しいことを味わうだけが人生ではありません。
苦しいこと・悲しいことを味わうのも人生です。
苦しいことも悲しいことも、人生の大事な一部です。
苦しいこと・悲しいことを1つも経験がないと、薄っぺらい人生になるでしょう。
苦しいこと・悲しいことからも、得られることがたくさんあります。
苦しいこと・悲しいことを経験するから、同じ立場の人に共感できたり同情できたりします。
人が成長するのは、苦しいこと・悲しいことを経験して乗り越えたときです。
困難に陥ったとき、窮地から抜け出そうと試行錯誤するとき、知恵と知性が磨かれます。
ストレスに苦しめられているとき、何とか耐え抜こうとして、体力と精神力が養われます。
幸せのヒントは、苦しいこと・悲しいことの中にあります。
苦しいこと・悲しいことをしっかり味わっておけば、幸せのヒントが見つかり、状況を好転させるきっかけにできるでしょう。
人生の本当の醍醐味は、苦しいこと・悲しいことと言っても過言ではありません。
苦しいこと・悲しいことに直面したら「いい経験をしている」と思ってください。
人生では、快の経験だけでなく、不快の経験も大切です。