時に人は、特定の人だけ優しく接することがあります。
仲のいい友人には、特別親切に接する。
好意を寄せる異性の前では、特に礼儀正しくなる。
期待を寄せる部下がいれば、普段より丁寧に仕事を教える。
自分のお気に入りの人には、やはり特別優しく接したくなるのではないでしょうか。
普段より笑顔が増えたり、親切になったり、お世辞を増やしたりなどです。
もちろん普通程度ならいいのです。
特別な人には特別な態度で接したくなるのは、人間の行動心理として普通にあること。
仲のいい人と接するときは、自然と緊張感も緩み、心が晴れやかになり、笑顔も増えるでしょう。
周りから見ても、普通に「仲がよさそう」という程度で見られるはずです。
しかし、態度の違いが露骨になると、別の問題が発生します。
えこひいきです。
残念ながら、えこひいきをする人は、本当に優しいとは言えません。
優しさはあっても「人を選んだ優しさ」です。
偏りがあり、不平等であり、差別があります。
えこひいきは、周りから見てすぐわかります。
特定の人だけ特別親切に接している様子は、違和感があるため意外と目立つもの。
ころっと態度が変わり、急に優しくなる様子は、上品と言いがたいでしょう。
たとえ優しくされた人であっても、人によって態度を大きく変える様子は、すっきりしない印象を受けるはずです。
「みんなに優しいわけではないのだね」とわかるため、優しくされて嬉しいものの、素直に喜べない。
特定の人だけ優しくするのは、不公平な対応です。
周囲から反感を買うため、人間関係にひずみを生んでしまうのです。
ここで心がけたいのは「平等な接し方」です。
えこひいきは避けましょう。
特定の人にだけ優しくなるのではなく、すべての人に対して平等な態度で接するようにしたい。
自分に関係があるなしにかかわらず、みんなに優しく接することが大切です。
マザーテレサのように、完全平等な態度はなかなか難しいですが、できるだけ平等に接していきたい。
100パーセントは難しくても、最善の心がけならできるはずです。
「特定の人だけ優しく」ではなく「みんなに優しく」です。
えこひいきは避け、誰にでも平等に優しく接する人が、優しい人です。