優しい人になるためには、優しい言葉を心がけましょう。
相手が落ち込んでいるなら、とにかく励ます。
相手がいらいらしているなら、とにかく慰める。
相手が決断に迷う人がいるなら、とにかく勇気づける。
どんなときでも、明るく前向きな発言を心がければ、優しい印象があります。
少なくとも悪い印象はありません。
優しい言葉をかけることで、相手も勇気づけられ、明るい気持ちになっていくでしょう。
しかし、ここで注意したいことがあります。
優しい意見を言うのはいいですが、優しい意見しか言わないのはよくありません。
優しい意見しか言えないのは、真面目に相手のことを考えていません。
優しいだけの発言は無責任でもあります。
難しく考えるのが面倒なので、思いつきで励ましているにすぎません。
無責任に響きのいい言葉だけ並べるのは、本当に優しいとは言えないのです。
真面目に相手のことを考えるなら、厳しい意見を言わなければいけないときがあります。
表向きは厳しくても、その厳しさの奥にはきちんと優しさがあります。
本気で説教をする親は、子どもへの愛情があるように、本気で厳しい意見を言える人にも、愛情があります。
相手は「本気で私のことを考えてくれている」と感じ、厳しさの奥にある優しさに気づいてくれるはずです。
たとえば、相手が転職をするべきか悩んでいたとします。
単に励ますなら「頑張って」「応援しているよ」と言えばいいですが、本気で相手のことを考えるなら、別の意見も言えるはずです。
「本当によく考えてね」
「貯金は大丈夫なの?」
「そんなに社会は甘くないよ」
自然と相手を心配する言葉が出るでしょう。
時には「私は反対」という厳しい意見も言えるはずです。
たとえ言いにくくても、本当に大切な人なら、厳しい言葉も言いたくなるはずです。
友人が会社の上司と喧嘩をして、会社を辞めようか悩んでいたとします。
安易に考えるなら「辞めても何とかなる」と言えば済みますが、真面目に相手のことを考えるなら、別の意見も言えるはずです。
「今からでも謝ったほうがいい」
「辞めたら後悔することになるよ」
「安易な考えで人生をダメにしないで」
「後悔するから思いとどまるべきだ」
時には「その判断は間違っている」という厳しい意見も言えるはずです。
真面目に相手のことを考えるなら、優しい発言だけでなく、厳しい意見も出るはずです。
優しさだけでなく、厳しさも、愛情表現です。
相手は「厳しい意見だけど参考になる」「本気で考えてくれている」と、厳しさの奥にある愛情に気づいてくれるはずです。
時に厳しい意見を言える人こそ、本当に優しい人なのです。