「私は貧乏性です」
ときどき自慢げに自分が貧乏性であることを語る人がいます。
たしかに浪費家に比べれば、はるかに堅実です。
金銭感覚が狂っている人に比べれば、無駄遣いが少なく、お金も貯まりやすいでしょう。
また、貧乏性であることを公言しておけば、余計なところで見栄を張らずに済みます。
自分を貧しく見せておけば、周りからたかられることもありません。
気持ちが吹っ切れて、周りから自分がどう思われようと平気になるでしょう。
貧乏性と公言するメリットも、少なからず存在します。
しかし、実際のところ貧乏性は、自慢になることではありません。
「私はお金の使い方が下手です」と公言しているようなものだからです。
貧乏性とは、何事にもけちけちしていて、気持ちに余裕のない性質のことをいいます。
気持ちに余裕がないと、焦り・いらいら・おどおどといった態度が目立つでしょう。
本人はいいかもしれませんが、周りから見ると、お世辞にも上品とは言えないでしょう。
時に貧乏性は、周りの人をいらいらさせてしまうこともあります。
いつもけちくさくしていると、とげとげしい雰囲気が出るため、周りの人は接しにくくなるでしょう。
貧乏性の人は「消費=損」という考え方があるため、徹底的に消費を嫌います。
無駄遣いを省くならいいですが、必要なところまでお金を使わないのは、誤った節約です。
日常生活では、きちんとお金を使ったほうがいい場面があります。
交際費は、円滑な人間関係に役立ちます。
お世話になっている方々への接待や贈り物は、人付き合いの向上につながるでしょう。
書籍代は、知識と知恵の向上に役立ちます。
必要な書籍代までけちっていると、仕事に支障が出るでしょう。
子どもたちにあげるお年玉も、もったいないとはいえ省くわけにはいきません。
子どもたちにあげるお年玉は「未来への投資」という考え方もできます。
お金の価値観は人それぞれですが、節約とはいえ、必要なところまで削るのはかえって悪影響です。
したがって、貧乏性は自慢になることにはならないのです。
貧乏性を自慢として使っているなら、改めたほうがいいでしょう。
貧乏性という口癖がある場合も、控えておくのが得策です。