執筆者:水口貴博

握り寿司の30の食事マナー

19

「不快になる知識の自慢」と「気分のよい知識の自慢」の違いとは。

「不快になる知識の自慢」と「気分のよい知識の自慢」の違いとは。 | 握り寿司の30の食事マナー

寿司屋で、寿司に関する知識をひけらかす人がいます。

「寿司」と一言で言っても、魚の種類、脂の乗り具合など、ご飯の握り具合など、奥が深いものです。

握り寿司に関して少し知識を得たばかりの人は、自分の豊富な知識を認めてもらいたいがために、うんちくを話し始めるのです。

この知識のひけらかしには、2種類あります。

「不快になる知識の自慢」と「気分のよい知識の自慢」です。

  • 不快になる知識の自慢の場合

単なる、うんちくくらいならまだいいのです。

しかし、何かを否定することで、知識の豊富さをアピールするのはよくありません。

たとえねネタが悪くても、直接声に出して言うのはマナー違反です。

食べている最中に「乾燥している」「ネタが古い」など、否定の言葉を聞かされると、食事のおいしさが損なわれます。

こうしたひけらかし方は、食事の際に限らず、普段の生活に置いても注意するのがマナーです。

  • 気分のよい知識の自慢の場合

すべてのひけらかしがマナー違反かというと、そうでもありません。

気分のよい知識の自慢の場合があります。

褒めながら、ひけらかすときです。

褒めることは、職人も同席者も明るくさせます。

「いい脂が乗っているね」

「すごい。表面がきらきら光っている。これは新鮮なネタだね」

知識人のこうした褒め言葉は、聞いていて気持ちいいものです。

職人としても、作りがいがありますし、同席者も勉強になりますし、店内の雰囲気も明るくなります。

どうせ知識をひけらかすなら、悪口ではなく、褒め言葉です。

事実、通のうんちくの中には、知らなかった内容や勉強になる話もあります。

それを聞くことで「へえ。そうだったのか。なるほど」と思って、より味わいやすくなることがあるのです。

世界観が広がり、今まで感じられなかった味わいが感じられるようになるのではないでしょうか。

どうせ通のふりをするなら「褒めること」です。

あまりくどい内容はいけませんが、TPOをわきまえながら褒めるなら、気持ちよく知識をひけらかせます。

握り寿司の食事マナー(19)
  • どうせ知識をひけらかすなら、褒めながらひけらかす。
むやみに符丁を言いふらすお客さんは、滑稽に見える。

握り寿司の30の食事マナー

  1. 握り寿司は、日本の技術大国が生み出した代表的な日本料理。
  2. 寿司屋に向かうのは、舞台に行くのと同じだ。
  3. なぜ、寿司屋のベテラン職人には、頑固な人が多いのか。
  4. 「1貫を一口で食べる」これが握り寿司の粋な食べ方の基本。
  5. ねたとご飯を別々に食べない。
  6. 握り寿司が一口で食べられない人の対処法。
  7. 握り寿司に醤油をつけるときの正式なマナー。
  8. 寿司の軍艦巻き。
    あなたなら、どう醤油をつけますか。
  9. 握り寿司を手で食べるか、箸で食べるか。
    それが問題だ。
  10. 1貫ずつ注文できるお店もある。
  11. 1貫ずつ注文できるということは、幅広く楽しめるということ。
  12. 握ってもらったお寿司は、出てきた瞬間に食べる。
  13. 早い、安い、新鮮で、しかもうまい。
    回転寿司は、最高のファストフード店だ。
  14. 魚のにおいは、嘘をつかない。
  15. わさびの刺激をすぐ抑えたいときの裏技。
  16. 回転寿司で、新鮮な寿司を見分ける方法。
  17. 回転寿司で干からびたネタしか残っていないときの対処法。
  18. 回転寿司で取った皿をレーンに戻すのは、マナー違反。
  19. 「不快になる知識の自慢」と「気分のよい知識の自慢」の違いとは。
  20. むやみに符丁を言いふらすお客さんは、滑稽に見える。
  21. 職人はお客さんからの「おいしいね」という言葉のために、長年の修行を積み重ねている。
  22. 高級握り寿司は、話のネタにもなる。
  23. トロを食べれば、店がわかる。
  24. 初めて向かう寿司屋で、いきなりカウンター席に座るのは危険?
  25. 寿司屋で長居をしすぎない。
  26. 通は、食後の小皿がきれい。
  27. 寿司を味わいたければ、醤油をつけない。
    ベテラン職人の腕にかかれば、魚の生臭さまで取ってしまう。
  28. 握り寿司をよりおいしく食べられる順番。
  29. ちらし寿司は、握り寿司とは食べ方が少し異なる。
  30. 寿司屋のタバコと香水は、作品に泥を塗る行為と変わらない。

同じカテゴリーの作品

2:52

関連記事

© HAPPY LIFESTYLE CORPORATION