魚の味を、存分に味わいたければ、醤油は不要です。
醤油の本来の目的は、魚の生臭さを消すためのものです。
人によっては、魚独特の生臭さが苦手という人がいます。
たしかに生臭さが気になる魚もありますから、醤油をつけると、おいしくいただけるようになります。
醤油にはいくつかの香りの成分があり、生魚のくさみを消す、香辛料のような働きを持っています。
ただし、醤油は魚の生臭さを消す作用があるだけのことはあり、味が濃い。
生臭さを消すにはうってつけですが、味わいが強すぎて、魚の味わいまで覆い隠してしまう場合もあるのです。
「握り寿司を食べるときは醤油をつける」という先入観を持っていないでしょうか。
醤油をつけなければいけないルールはありません。
むしろ魚本来の肉の味わいを楽しみたければ、やはり素のままが一番。
一度、寿司を醤油なしで食べてみましょう。
魚本来の味わいが楽しめます。
「それでは生臭くておいしく味わえない」
いえ、実はそうとも限らないのです。
生臭いというのは、魚が取れてしばらく時間が経っているからです。
取れたての新鮮な魚を使っていれば、ほとんど生臭くありません。
また、ベテラン職人の腕にかかれば、実はほとんど魚の生臭さは消えます。
ベテラン職人の実力を発揮する瞬間です。
魚の調理が優れているため、生臭さまで取ってしまう技術があるのです。