寿司屋には、独特の熱気あふれる空気が流れていることが少なくありません。
回転寿司とは異なり、寿司屋は一般的に狭い。
しかも、店内に独特の空気が流れていることもあります。
部屋が狭いと、職人が握っているときの表情・動きなどは、お客さんに丸見えです。
広々とした寿司屋とは違い、小さくて閉鎖的な寿司屋では、部屋が狭い分、熱気が伝わりやすい。
職人の意気込みが、そのまま店内の雰囲気へと変わるのです。
寿司屋ほど、ベテラン職人の意気込みが雰囲気に変わりやすい店はありません。
店の雰囲気を感じていると、ベテラン職人と会話を交わしているかのようです。
ベテラン職人の人間性が、雰囲気になります。
そんな職人が握るところが最も見やすいからと、初めて向かう寿司屋で、安易にカウンター席を選ぼうと考えることがあります。
もちろん店員から案内されたり混み合う状況であったりすれば別ですが、寿司屋の場合、積極的に座るものではありません。
通や常連客が座る「専用席」になっている場合があるからです。
カウンター席は、ベテラン職人との距離が最も近い席です。
そこは、寿司屋の中でも特別席。
聖域です。
ベテラン職人と仲がいい常連客が座り、職人との会話を楽しむ席になっていることがあります。
すべての寿司屋がそうとは限りませんが、古風で常連を重んじる老舗なら、事実上、暗黙の了解になっている場合があるのです。
初めて向かう寿司屋なら、いきなりカウンター席に座るより、まずテーブル席や座敷がおすすめです。
店内の雰囲気を確認したり、何度か通って慣れたりしてから、カウンター席に座るといいでしょう。