本格的な日本料理には、本膳・会席・懐石の3種類あります。
西洋料理で言えば、どれもフルコース料理に当たります。
しかし、この3種類にはそれぞれに特徴や違いがあります。
1つずつ整理してみていきましょう。
本膳料理とは、室町時代に始まった日本料理の基本になる料理形式です。
また、日本料理の最も本格的なもてなしの料理です。
西洋料理でいえば、最もフォーマルなフルコースに相当します。
本膳料理は「儀式」としての意味合いが強いのが特徴です。
そのため古くから、冠婚葬祭の場では、しばしば見られました。
献立内容、食べ方、服装などの作法も、細かく決められています。
しかし、堅苦しさが時代に合わなかったためか、残念ながら現在では一部の日本料理店を除き、あまり見られなくなりました。
本膳料理は廃れてしまい、現在ではほとんど見られなくなりました。
代わって、本膳料理を簡素化されたものとして台頭してきたのが「会席料理」です。
イメージを一言で言えば「お酒の席」です。
宴会や結婚披露宴など、お酒を楽しむ場でよく見られます。
お酒が最初に出てきて、次にご飯やお吸い物が出てくる場合が多いようです。
一品ずつのときもあれば、最初から並べられている場合もあります。
旅館や料亭などで出される日本料理といえば、ほとんど会席料理といっても過言ではありません。
会席料理は一般的に「お酒の席」ですが、さらに「お茶の席」の料理として発展させたものが「懐石料理」です。
料理は一品ずつ出て、ゆっくり落ち着いて食べるのが特徴です。
料理といい、雰囲気といい、会席のときほどの賑やかさはなく、どちらかといえば落ち着いてゆっくり食べる雰囲気があります。
お酒を飲んだり、騒いだりするのが苦手という人にはちょうどいいでしょう。
一般的に、ご飯やお吸い物が出てきた後にお酒が出てきます。
さて、よく話題になるのが、会席料理と懐石料理の違いです。
一言で言えば、会席はお酒をおいしくいただくための「宴会の席」であり、懐石はお茶をおいしくいただくための「茶会の席」です。