11月の第3木曜日。
この言葉を聞いて、ぴんとくる人は、かなりのワイン好きではないでしょうか。
そうです、ボージョレ・ヌーボーの解禁日です。
「ボジョレ」というのは、フランスのブルゴーニュ地方の南端にある「ボジョレ地域」を指します。
ここは、ワイン産地の中でも特に歴史が古く、世界的に有名なワイン産地の1つとして知られています。
「ヌーボー」というのは、フランス語で「新しい」という意味です。
つまり、ボージョレ・ヌーボーというのは「フランス・ボジョレ産の新作の赤ワイン」という意味です。
ボージョレ・ヌーボーの作り方は特殊で、たった1カ月で熟成させる手法で作られます。
そのため、比較的飲みごろは短く「1カ月から半年」と言われます。
つまり「早飲み用のワイン」です。
比較的渋みが少なくて、軽めであることが特徴です。
ところで、なぜ「解禁日」という日を作ったのでしょうか。
実は当初、ボージョレ・ヌーボーに解禁日はありませんでした。
すると、各メーカーがどこより早く出荷しようと競争になり、その結果、粗悪なワインが出回ってしまった時期がありました。
ワインで有名なフランスの名誉にかけ、粗悪なワインが出回ることは許しがたいことです。
そこで出荷競争が起こらないよう、1984年フランス政府によって、出荷解禁日を設けたのです。
では、さらに疑問なのは、なぜ「木曜日なのか」ということです。
たとえば、解禁日を「20日」に設定したとすると、年によっては20日が日曜日になる場合があります。
日曜は、役所や運搬業者などがお休みになります。
そのため、出荷スケジュールや売れ行きに影響が出る場合があるため、土曜や日曜を避けた「第3木曜日」と決められたのです。
さあ、年に一度の11月の第3木曜日、午前0時。
年に一度のワインのお祭りを楽しんではいかがでしょうか。