執筆者:水口貴博

ワインの30の基本知識

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11月の第3木曜日は、ボージョレ・ヌーボーの解禁日。

11月の第3木曜日は、ボージョレ・ヌーボーの解禁日。 | ワインの30の基本知識

11月の第3木曜日。

この言葉を聞いて、ぴんとくる人は、かなりのワイン好きではないでしょうか。

そうです、ボージョレ・ヌーボーの解禁日です。

「ボジョレ」というのは、フランスのブルゴーニュ地方の南端にある「ボジョレ地域」を指します。

ここは、ワイン産地の中でも特に歴史が古く、世界的に有名なワイン産地の1つとして知られています。

「ヌーボー」というのは、フランス語で「新しい」という意味です。

つまり、ボージョレ・ヌーボーというのは「フランス・ボジョレ産の新作の赤ワイン」という意味です。

ボージョレ・ヌーボーの作り方は特殊で、たった1カ月で熟成させる手法で作られます。

そのため、比較的飲みごろは短く「1カ月から半年」と言われます。

つまり「早飲み用のワイン」です。

比較的渋みが少なくて、軽めであることが特徴です。

ところで、なぜ「解禁日」という日を作ったのでしょうか。

実は当初、ボージョレ・ヌーボーに解禁日はありませんでした。

すると、各メーカーがどこより早く出荷しようと競争になり、その結果、粗悪なワインが出回ってしまった時期がありました。

ワインで有名なフランスの名誉にかけ、粗悪なワインが出回ることは許しがたいことです。

そこで出荷競争が起こらないよう、1984年フランス政府によって、出荷解禁日を設けたのです。

では、さらに疑問なのは、なぜ「木曜日なのか」ということです。

たとえば、解禁日を「20日」に設定したとすると、年によっては20日が日曜日になる場合があります。

日曜は、役所や運搬業者などがお休みになります。

そのため、出荷スケジュールや売れ行きに影響が出る場合があるため、土曜や日曜を避けた「第3木曜日」と決められたのです。

さあ、年に一度の11月の第3木曜日、午前0時。

年に一度のワインのお祭りを楽しんではいかがでしょうか。

ワインの基本知識(23)
  • 11月の第3木曜日は、ボージョレ・ヌーボーを楽しむ。
ワインに含まれる酸化防止剤には、意外な効用がある。

ワインの30の基本知識

  1. 色で分ける、3つのワインの特徴と違い。
    白、赤、ロゼ。
  2. 製法で分ける、4つのワインの特徴と違い。
    スティル、スパークリング、フォーティファイド、フレーバード。
  3. ワインの名前の起源がわかれば、一番アピールしたいポイントがわかる。
  4. なぜ、ワインはたくさん種類があるのか。
  5. ハウスワインは、レストランの実力が反映されている。
  6. 急いでワインを冷やしたいときの3つの方法。
  7. ワインは、作り手のこだわりや情熱が伝わりやすい飲み物。
  8. 酔うためにワインを飲むと、失敗する。
    ワインは味わうために飲む飲み物だ。
  9. ワインは、高価どころか、むしろ安い?
  10. プロに見える、スパークリング・ワインの上手な注ぎ方。
  11. ワインをおいしく飲むためのグラスの注ぎ方。
  12. なぜ、白ワイン用グラスより、赤ワイン用グラスのほうが大きいのか。
  13. ワインを保管するときに気をつけたい3つのタブー。
  14. ワインの「当たり年」「外れ年」の意味とは。
  15. シャンパンは、音を立てずに開けるのがエレガント。
  16. デザートワインの代表「貴腐ワイン」とは。
  17. ロゼの辛口スパークリング・ワインは、どんな料理にも合う万能ワイン。
  18. よいワインショップに見られる5つの特徴。
  19. ワインのコルク上部にあるカビは、品質劣化品と誤解されやすい。
  20. たくさんの種類のワインは、それだけ楽しみが存在するという証し。
  21. ブルゴーニュとボルドーの飲み比べは、ワイン入門コースにうってつけ。
  22. 高級なワインや持ち込みワインは、少し残して帰ると、ソムリエに喜ばれる。
  23. 11月の第3木曜日は、ボージョレ・ヌーボーの解禁日。
  24. ワインに含まれる酸化防止剤には、意外な効用がある。
  25. フランス産のワインでよく目にする「AOC」とはどういう意味なのか。
  26. 高価な高級ワインを、簡単に飲む方法。
  27. ワインの堅苦しい持ち方は、自分がおいしくいただくためのマナー。
  28. ワイナリーの見学ツアーに参加すると、ワインへの意識が向上する。
  29. プロに匹敵する、ワインのコルクの上手な開け方。
  30. フランスの「セカンドワイン」の意味とは。

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