レストランのワゴンサービスでは、パン・チーズ・デザートなどが運ばれてくることがあります。
基本的に食べられるだけお願いするのがマナーです。
食べ残しは品が悪く、できるだけ避けたいところです。
「おなかいっぱいで食べられない」
そう思っても、甘いデザートなら食べられるという人も多いのではないでしょうか。
「甘いものは別腹」という言葉があります。
甘いものが好きな人が、自分を正当化させる言葉かと思いますが、そうではありません。
生理学的にも立証されている、人間の体に備わったシステムです。
好物を見たり食べたりすると、脳内で「オレキノン」という化学物質が分泌されます。
オレキノンが分泌されると、摂食中枢が刺激され、胃のぜん動運動が起こり、胃の内容物が腸へ押し出されるようになります。
その結果、胃に空間ができて、もう少し食べられる余裕が生まれるのです。
ただし、そもそも甘いものが苦手な人には、この現象は起こりません。
この不思議な現象は、人間がまだ狩猟採集生活を送っていたころ、飢餓に耐えるためにできたシステムといわれています。
人間の体は「飢え」を前提に作られています。
狩猟採集生活を送っていたころは、いつでも食料が手にできる確証はありませんでした。
そのため、食べられるときに食べられるよう、体のシステムができたのです。
ただし、飢餓に耐えようとするこのシステムが、今、人類に対して脅威になっています。
「飽食」と呼ばれる時代になり、好きなときに好きなだけ食べられるようになりました。
その結果、甘いものを食べすぎてしまい、健康に悪影響を及ぼしているのです。
甘いものは別腹でも、食べすぎには注意をしましょう。