お風呂でしっかり汗をかいて、体重計に乗ったときのことです。
「やった。昨日より1キロ痩せているぞ!」
体重計にのるや否や、大喜び。
たくさん運動をして、お風呂でもしっかり汗をかいたので、その結果、多くの脂肪を燃焼して痩せられたのだろうと思います。
しかし、夢を壊すようで申し訳ないですが、おそらくこれは誤りです。
たしかに体重が1キロ軽くなっているのは事実ですが、脂肪を1キロ燃焼したとは考えないほうがいいでしょう。
生物学の観点から、それほど早く脂肪が1キロ燃焼されるはずがありません。
脂肪1グラムというのは、およそ9キロカロリーです。
つまり、脂肪1キロをカロリーに換算すると、およそ9,000キロカロリーです。
私たちが1日に摂取するカロリー量は2,000キロカロリー前後が一般的ですから、いかに大きいかおわかりでしょう。
ということは、脂肪1キロ減らして痩せるためには、9,000キロカロリーを消費しなければいけないことになります。
たった1日で9,000キロカロリーを消費するのは、ほぼ不可能とも言えるレベルです。
1週間かけても難しいくらいです。
では、なぜ体重計に乗ったとき、昨日と比べて1キロ痩せたのでしょうか。
お風呂でたっぷりかいた汗に加え、トイレで尿や便などの排泄物が体外へ排出されたため、体重が減ったことが考えられます。
お風呂場でたっぷり汗をかいたり、トイレで尿をしたりすれば、すぐ体重は減ってしまいます。
痩せたと思って喜びたいところですが、厳密に「痩せた」とは違うのです。