犬とは違い、猫はしつけに時間がかかります。
芸を覚えさせるなんて、難しいでしょう。
犬を使ったサーカス団は世界に数多くありますが、猫を使ったサーカス団はほとんどありません。
芸を覚えてくれず、大きな音にも弱く、なかなか言うことを聞いてくれないためです。
このことからも、芸を覚えさせるのは難しいことだと言うことがうかがえます。
芸を覚えさせるのは難しいとしても、簡単なしつけでさえ苦労します。
トイレシートで用を足すようにしたり、爪で壁を引っかくのをやめさせたりなど、お行儀よくしつけるのは時間がかかります。
猫はかわいいですが、とても世話が焼けます。
大切なことは「言うことを聞かせること」ではありません。
忍耐力があるかどうかです。
なかなか言うことを聞かなくても、わかるまで何度でもしつけることができるかどうかです。
猫の面倒を見ていると同時に、実は飼い主も猫に鍛えられています。
考え方をスイッチしましょう。
すぐ言うことを聞いてくれないから、いい。
もし何でもすぐ言うことを聞いてくれれば、飼い主としての忍耐力が鍛えられません。
しかし、なかなか言うことを聞いてくれず、忍耐力が必要とされるなら、飼い主も一緒に成長できます。
忍耐力が鍛えられれば、普段の人間関係でもうまくいきます。
友人関係でも職場の人間関係でも、恋愛関係でも、夫婦関係でも「忍耐力」が必要とされます。
いらいらを見せないようにしたり、理性を失わずに対応したりなど、人間関係では忍耐力の連続です。
子どもが生まれれば、忍耐力なくして育てることはできません。
なかなか言うことを聞いてくれない赤ちゃんは、猫と似ています。
赤ちゃんもかわいいですが、とても世話が焼けます。
この状況は、猫に似ています。
もし猫をきちんと育てることができれば、赤ちゃんを育てるのもうまくいくはずです。
それだけの忍耐力があれば、赤ちゃんのおしめを替えたりわがままに応えたり、夜泣きに対応したりなどできるはずです。
きっといい父親・母親になれるに違いありません。
そう考えると、猫は先生です。
理性を失わず、常に冷静な自分でいられるよう、猫が先生になって飼い主を鍛えてくれているのです。