猫が寝る場所といえば、お決まりの場所があります。
屋根の上、テレビの上、たんすの上、テーブルの上などです。
おや、何か共通点がありませんか。
そうです「高いところ」です。
どうやら猫は、高いところが好きで落ち着くようです。
これは猫がもともと野生だったころの名残です。
まだ野生だったころ森の中で暮らしていました。
森の中では、地上を歩く敵から襲われにくい場所として、木に登って寝ていました。
また外敵から襲われそうになったときも、すぐ木に登れば、避難できます。
人間には、高いところは怖くて危ないというイメージがありますが、猫には逆です。
本能として高いところを好み、高いところのほうが落ち着きます。
「高いところは安全で落ち着く」
猫が寝る場所はいつも高い木の上がお決まりの場所でした。
しかも高い場所に上がるだけでなく、高い場所でぐっすり寝たりします。
「高いところで、よくのんきに寝られるなあ。落ちたら危ないぞ」
そう思う人もいることでしょう。
猫は耳の奥に平衡感覚を受け持つ器官があり、よく発達して、左右上下の平衡感覚には優れています。
そのため、2階程度の高さから逆さまに落ちても、体をくるっとくねらせて、上手に着地できます。
高すぎる場所ではいけませんが、高い場所から落ちたときの着地はとてもうまく、ダメージは人間が思うほど強くはないようです。
昔から高いところに住んでいたからこそ、体は弓のようにしなやかで柔らかく、落下したときの運動神経にも優れています。
そこで室内で猫を飼うなら、できれば猫のために高いところを用意してあげましょう。
人間は、横に広い部屋を好みますが、猫の場合は、縦に長い部屋のほうが大好きです。
階段のような段差を作り、高い場所へ楽に移動できるようにするといいでしょう。
たんすの上に上がられるのは飼い主としては厄介かもしれませんが、猫は落ち着ける聖地になるはずです。