上司が部下に指導をするとき、まずしてしまいがちなのは「部下の欠点を指摘してしまうこと」です。
悪いところがあるから、悪いところを指摘するのは、ついしてしまいがちです。
特に日本企業には、多い指導方法です。
悪いところがあるから、悪いところを指摘するのは、部下の自信をさらに失わせます。
「否定」から始まる話は、よくありません。
部下は、否定されると、後に続く上司の話も全部聞きづらくなり、否定する気持ちまで大きくなります。
本来、悪いところは、あえて上司が指摘しなくても部下はわかっています。
わざわざ弁慶の泣き所を叩くようなことは、できても、しないほうがいい。
では、どう部下を指導するのかというと「長所を持ち上げて指摘する」という方法です。
「時間に厳しいA君なのに、どうしたの?」
「持ち前の明るい性格で、この仕事もこなしてほしい」
「三度目の正直というじゃないか」
欧米は、こういう指導方法が当たり前です。
まず相手の長所を持ち上げて、そのうえで指導します。
この場合、話は「肯定」から始まります。
長所から話を始めると、自分を認めてもらえたことがわかるので、後に続く話も受け入れやすくなります。
「話を否定から始めるか、肯定から始めるか」の違いです。
それは「部下の欠点を指摘するか、長所を指摘するか」で決まるのです。