公開日:2009年7月19日
執筆者:水口貴博

部下を叱る30の方法

  • 叱られ上手は、
    叱り上手になる。
部下を叱る30の方法

叱られ上手は、叱り上手になる。

私はこれまで、叱られた経験は、山ほどあります。
子どものころは両親から毎日のように叱られ、学生時代も先生からはよく叱られていました。
社会人になって新人時代も、ほかの人よりよく叱られていた気がします。

叱られ上手は、叱り上手になる。

相手を落ち込ませるような叱り方は失格。

叱る意味を、はき違えている人がいます。
落ち込ませるために、叱る人がいます。
「ばかやろう」

相手を落ち込ませるような叱り方は失格。

ミスをしたタイミングで指摘するのが、一番いい。

叱るタイミングは、ミスをした瞬間に叱ることです。
「後からまとめて指摘すればいいか」と思う人もいるでしょう。
ミスをしている部分が多いと、そのたびに指摘しなければいけなくなります。

ミスをしたタイミングで指摘するのが、一番いい。

大勢の前で叱らない。

叱るときに注意したいのは、叱るときの環境です。
大勢の前で叱っていないでしょうか。
大勢の前で叱られると、叱られた人の落ち込みが強くなります。

大勢の前で叱らない。

叱るときには、2人になるのがベスト。

新人時代のある日、上司が私にこっそり言いました。
「水口君、ちょっといいかな」
私は誰もいない場所に呼び出されて、仕事のある部分について指摘を受けました。

叱るときには、2人になるのがベスト。

自分の都合で叱らない。

あまり大きな声では言えませんが、私が新人時代に出会った上司の1人にとんでもない上司がいました。
「機嫌が悪い」というだけで叱ります。
たまたま、朝、何か気分が悪くするような出来事があったのでしょう。

自分の都合で叱らない。

感情的に叱らない。

一般的に、叱る側の人間は「立場が高い」。
両親・先生・上司です。
叱る側は悪い部分を見抜けるだけの力があるだけあり、経験が豊富で能力も高いです。

感情的に叱らない。

叱る前に、状況をよく確かめる。

私はリーダーになったばかりのころ、失敗をした経験が1つあります。
「あっ!」
部下が間違ったことをしたと思った瞬間に、すぐ指摘をしました。

叱る前に、状況をよく確かめる。

お説教は、短いほどためになる。

学生時代思い出すお説教は、日が暮れるまで先生から叱られた経験です。
小学6年生のころのある日の放課後です。
みんな「さようなら」と下校しているのに、私はずっと叱られていたことがありました。

お説教は、短いほどためになる。

指摘がいくつかあるときは、最初に指摘数を伝え、短く絞る。

叱りたいことが、複数あるときがあります。
指摘が1つだけならいいですが、複数見つかる場合があります。
気になった点がいくつかあるとき、同時にいくつも伝えようとするとうまくいきません。

指摘がいくつかあるときは、最初に指摘数を伝え、短く絞る。

いつまでも過去の過ちを言い続けない。
昔の話を引っ張り出さない。

昔の失敗をいつまでも引っ張る上司がいました。
悪いところがあったときに叱るのはいいですが、いつまでも引っ張るのはよくありません。
「あのときの失敗を覚えているか」

いつまでも過去の過ちを言い続けない。昔の話を引っ張り出さない。

人格を否定する言葉は使わない。

叱るときに持ち出してはいけない内容があります。
「相手の人格を否定する内容」です。
個性・性格・顔形・生まれ・育ちなどです。

人格を否定する言葉は使わない。

厳しい指摘は反抗される。
明るい指摘は受け入れてもらえる。

あなたがにこにこすれば、相手もにこにこします。
あなたが怒れば、相手も怒ります。
人間関係には、自然と「鏡の法則」が働いています。

厳しい指摘は反抗される。明るい指摘は受け入れてもらえる。

叱るときは、腰を低く、丁寧な態度になる。

ある日私は、古本屋で見知らぬ人から急に指摘を受けたことがありました。
立ち読みをしているとき、私のバッグがいつの間にか本の上に乗っていました。
貴重な古本の上に、カバンを置くのはいけないとわかっていました。

叱るときは、腰を低く、丁寧な態度になる。

他人と比べて、叱らない。

よくない叱り方の1つに「他人との比較」があります。
あなたは誰かと比較されて気分を悪くしたことはありませんか。
「同僚のAさんはできているのに、あなたはなぜできないの」

他人と比べて、叱らない。

追い込むように叱ると、泣けてくる。

ときどき相手を追い込むような叱り方になっている人を見かけます。
相手を追い込むような叱り方になっていませんか。
「どうしてくれるんだ」

追い込むように叱ると、泣けてくる。

肯定から始まると、後に続く言葉も受け入れやすくなる。

いきなり頭ごなしに叱られると、誰でも頭にきます。
初めが「否定」から始まっています。
耳をふさぎたくなるような否定から始まるので、後に続く言葉も、受け入れにくくなります。

肯定から始まると、後に続く言葉も受け入れやすくなる。

クッション言葉を使えば、上手に叱ることができる。

私の職場に、叱るのが上手な上司がいます。
ちなみに「うまい言い方だな」と逆に感動した言葉でもあります。
その上司は叱る前に、ある一言を言います。

クッション言葉を使えば、上手に叱ることができる。

理由のない指摘では、部下は納得しない。

「○○はいけないことだよ」
間違った指摘だけをするのは、下手な叱り方です。
その理由を言っていないからです。

理由のない指摘では、部下は納得しない。

一瞬で終わらせるお説教は、注射と同じ。
痛い時間が短いからこそ、よく効く。

お説教の後は、気まずい雰囲気が漂います。
たとえば、1時間説教されたとします。
1時間もお説教をされると「悪いことをしてしまった」という印象が強くなります。

一瞬で終わらせるお説教は、注射と同じ。痛い時間が短いからこそ、よく効く。

「こら!」という言葉を使わないように心がける。

「叱る」という言葉を聞いて何を連想しますか。
・怖い
・圧力

「こら!」という言葉を使わないように心がける。

ひどく叱っても、普段どおりに接するよう心がける。

私が中学3年生のころの担任は、岡田先生という男性教師でした。
普段は、優しい先生でしたが、ある日、ひどく叱られたことがありました。
「優しい先生ほど怒るときは怖い」と言いますが、まさにそれです。

ひどく叱っても、普段どおりに接するよう心がける。

管理者を通して指摘をすれば、上司と部下の関係にひびを入れなくて済む。

私がアパートに住んでいたころ、真下の部屋の騒音に大変悩んだことがありました。
なぜか、私が引っ越すアパートでは、隣近所がうるさい。
深夜の2時くらいに、大声で歌を歌っている女性もいました。

管理者を通して指摘をすれば、上司と部下の関係にひびを入れなくて済む。

手紙やメールを使えば、落ち着いてメッセージを伝えやすい。

相手の険しい表情。
強い口調。
緊張した雰囲気。

手紙やメールを使えば、落ち着いてメッセージを伝えやすい。

「しなさい」より「しましょう」。

「しなさい」という言い方は命令です。
とげがあり、厳しくて圧力があり、緊張します。
また命令口調で言われると、むっとする人もいるでしょう。

「しなさい」より「しましょう」。

叱るときこそ、部下に発言をさせる。
部下を叱るとき、一方的に上司から部下へと叱っていませんか。

叱るときは言いたいことがたくさんあるため、次々と言葉を並べがちです。
上司から部下へ、一方的な会話になりがちです。
私も部下を叱ったことがあるので、その気持ちがよくわかります。

叱るときこそ、部下に発言をさせる。部下を叱るとき、一方的に上司から部下へと叱っていませんか。

「絶対に間違えるな。失敗するな」と言われると、部下は余計に緊張する。

叱るのは面倒です。
叱るような場面をできるだけ作りたくない。
そこで上司は仕事をする前に、部下にこう言います。

「絶対に間違えるな。失敗するな」と言われると、部下は余計に緊張する。

最もミスが少なくなるのは、リラックスしているときだ。

「絶対に間違えるな。失敗するな」と言われると、部下は余計に緊張します。
逆に失敗しやすくなるので、言わないほうがいい。
ミスをするなと言われると、逆にミスをしているところばかり考えてしまうのでよくありません。

最もミスが少なくなるのは、リラックスしているときだ。

にこにこしながら口にする言葉は、ありがたく聞こえてくる。

七福神の1人「恵比寿様」は、いつもにこにこしています。
にこにこしているから、すべての言葉がありがたく聞こえてきます。
「あなたのことを考えているから言っているのですよ」という愛を感じます。

にこにこしながら口にする言葉は、ありがたく聞こえてくる。

どんなに感情的になっても、暴力だけはふるわない。

叱るときには、感情的になりやすいです。
どんなに感情的になっても、叱るのは言葉だけにしておきましょう。
ときどき言ってもなかなか聞いてくれない人がいます。

どんなに感情的になっても、暴力だけはふるわない。

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