「注射が痛くて嫌い」という人がいます。
注射が痛いのは誰でも同じですが、痛みを特別強く感じる人がいます。
そんな人には、ある共通点があります。
注射に集中しているのです。
頭の中で「痛い」「怖い」「ミスをされたらどうしよう」とつぶやいています。
じっと針先を見つめたり、注射針が腕に突き刺さる瞬間を凝視したり、血液が抜かれる様子を眺めていたりします。
それでは注射が苦手になって当然です。
わざわざ自分で痛みを強調させているようなもの。
注射に集中しているので、ちょっとした痛みがひときわ強く鮮明に感じられます。
結果として注射が苦手になるのです。
注射を克服するポイントは、ここにあります。
「痛いのは仕方ない」「注射の痛みは看護師の腕にかかっている」と思われがちですが、その限りではありません。
注射を打たれる人にも、痛みを軽くできる工夫があります。
それは「別のことに意識を集中させる」です。
たとえば、注射の際、窓から外の眺めに集中しましょう。
青空、植物、建物などに集中すれば、不思議と痛みが軽く感じられ、注射はあっという間に終わります。
部屋に窓がなければ、室内にある時計をじっと眺めてみるのもおすすめです。
時計の秒針や秒数を眺めながら、仕事の準備、会議の段取り、今晩の献立など、次の予定について考えます。
考え事で頭を満たせば、そちらに気をとられるため、痛みが半減します。
状況が許すなら「本を読みながら」「スマホを操作しながら」「看護師さんとおしゃべりを楽しみながら」も悪くありません。
とにかく別のことに意識を向けていればOK。
別のことに意識を集中させていると、不思議と痛みが軽く感じられます。
ちくっとしても一瞬のことで、あっという間に注射が終わります。
「もう終わったのですか」と驚くに違いありません。
注射に集中するから、痛みが強くなります。
注射に集中しなければ、痛みは消えるのです。