私たちはあるとき、言い間違いをすることがあります。
疲れているとき、焦っているとき、ぼうっとしているときに起こりがちです。
なぜ言い間違えたのか自分でもわかりません。
発言をしてしばらくたってから、なんだか不自然と思い、はっと気づきます。
言い間違いをした瞬間「しまった」と思ってしまいます。
恥を感じたり自分を責めたりすることもあるでしょう。
しかし、ここに人生を楽しむヒントが隠されています。
その言い間違いは、本当に「間違い」なのでしょうか。
いいえ、そうとは限りません。
もちろん完全に意味をなさないこともありますが、頭を柔らかくして考えてみてください。
意外とニュアンスが通じるものが少なくありません。
たとえば、食事を食べるとき「いただきます」ではなく「いってきます」と言ってしまう。
一般的には言い間違いですが、完全に間違いとは言い切れません。
「さあ、これから食の世界に旅立ちます」というニュアンスで考えれば、あながち間違っているとも言えないでしょう。
いつもとは違った感覚で食事を楽しめるでしょう。
飛行機で海外旅行に行きました。
人から飛行時間を聞かれて「10時間」と答えるところ「10年」と言い間違えたとします。
言い間違いとはいえ「長年の夢がようやく叶った」というニュアンスで考えれば、意味が通じてしまうでしょう。
「人間ドック」と言いたいところを「人間ドッグ」と言い間違えたとします。
直訳すれば「人間イヌ」です。
「イヌのようにおとなしくなる機会」というニュアンスで考えれば、うなずけてしまうでしょう。
「ファストフード」を「ファーストフード」と言い間違えたとします。
単語が「Fast」から「First」に変わると、意味も変わります。
「第一の食べ物」というニュアンスで考えてみると「まあ、それもありかな」と思えます。
「エレベーターに乗りたい」と言いたいところを、うっかり「エスカレーターに乗りたい」と言ってしまったとしましょう。
言い間違いですが「たまにはいいかな」と考え、言い間違えたとおり、エスカレーターに乗ってみるのも面白いでしょう。
普段とは違った行動パターンが楽しめると思えば、なかなか悪くありません。
海外旅行に行きたい場所を聞かれたとします。
「オーストラリアに行きたい」と言うつもりが、何を思ったか「オーストリアに行きたい」と言い間違えたとします。
まったく考えもしなかった場所です。
言い間違えたことに縁を感じて、言葉のとおり、本当にオーストリアに行ってみるのも素晴らしいでしょう。
「言い間違えたから行ってみる」という旅行もユニークです。
言い間違いを、単なるミスとして受け止めるだけではつまらない。
うっかり言い間違いをしたら、ユニークな発想を楽しんでみてください。
思いもよらぬ発想だからこそ面白い。
言い間違いとはいえ、自分の口から出た言葉なので、不思議と受け入れやすいものです。
言い間違いをしたら、そのユニークな発想や新しい気づきを楽しんでみてください。
「うっかり言い間違いをしてしまった。それもありかな。それなりにニュアンスが通じてしまうね」
言い間違いではあるものの「それはそれでありかな」と思えるはずです。
言い間違いを楽しめると、ますます人生を楽しめるようになります。
前触れもなく唐突に起こるのが、またいいところです。
言い間違いは、人生を面白くするスパイスです。