世間では「軸がぶれてはいけない」という声が聞かれます。
「軸がぶれるのはよくない」
「軸がぶれる人は信用できない」
「軸がぶれるのは信念がない証拠」
軸がぶれる人には批判が殺到して、軸がぶれない人は称賛されます。
しかし「軸がぶれるのはよくない」と言い切るのは注意したほうがいいでしょう。
一言で「軸」と言っても、2種類あります。
「ぶれていい軸」と「ぶれてはいけない軸」です。
それぞれ意味が違うため、きちんと区別しておくことが大切です。
ぶれてはいけない軸の代表例が「弱い意志」によるものです。
弱い意志によって軸がぶれるのはよくありません。
「理念がない」
「信念が弱い」
「考え方が浅い」
「気持ちが中途半端」
「回りに流されている」
特別な理由もなく、ころころ主張が変わるのは「軸がぶれている」と批判されても仕方ないでしょう。
「優柔不断」「ご都合主義」といったレッテルを貼られます。
たとえば、ころころ主張が変わる政党は「軸がぶれている」と疑われます。
「頼りない」「信用できない」「回りに流されている」と見なされることになるでしょう。
ころころ主張が変わる政党は、頼りない印象があって、国民からの支持が得られなくなります。
弱い意志によって軸がぶれるのは避けておきたい行為です。
自分で自分の首を絞めることになります。
信用を失い、信頼されなくなり、いずれ誰からも相手にされなくなるのです。
ぶれてはいけない軸がある一方で、ぶれてもいい軸があります。
「レベルアップ」という意味で、軸がぶれるならかまいません。
私たちはあるとき、新しい体験によって価値観が変わることがあります。
より良い価値観に触れると「古い価値観」から「新しい価値観」に改めたくなります。
その様子は、あたかも軸がぶれる様子に見えます。
主張がころっと変わることになりますが、あくまで「レベルアップ」に値することなら問題ありません。
軸は本来、ぶれるものです。
軸がぶれることを禁止すれば、成長を止めることになり、未熟な軸のまま生きることになります。
「さらによくする」という意味ですから、むしろ軸はぶれたほうがいい。
レベルアップしていくにつれて、視野が広がり、成功していけます。
軸がぶれるたびに新しい自分に生まれ変われます。
「軸がぶれている」と批判されても、それが「レベルアップ」に当たることなら、朝令暮改もありです。
軸には「ぶれていい軸」と「ぶれてはいけない軸」の2種類があることを理解しておきましょう。
「とにかく軸はぶれていけない」と思い込んでいると、成長を妨げることになりかねません。
大切なのは「軸がぶれる理由」です。
軸がぶれようとしたとき、どちらに該当するか見極めてください。
「弱い意志」で軸がぶれるのはNGですが「レベルアップ」でぶれるならOKです。
それがあなたにとって「レベルアップ」に当たることなら、遠慮なく軸をぶれていきましょう。