アイデアを考えるとき、対象人数を広げて考えがちです。
一言で言うと「みんなのために」です。
せっかくアイデアを考えるなら、やはりみんなに喜ばれるアイデアを考えたいと思うもの。
多くの人から認められるアイデアのほうが、たくさんの称賛が得られます。
エジソンが電球を発明して世界を変えたように、自分も世界を大きく変えるアイデアを考えたいと思う。
もちろん多くの人を喜ばせようとする精神はかっこいいですが、ここに落とし穴があります。
世の中には、多種多様な人がいます。
100人いれば、100種類の人がいます。
生まれや育ちの違いがあります。
性別・年齢・国籍の違いもあれば、価値観・考え方の違いもあります。
みんなの事情をくみ取ったアイデアを考えようとすると、範囲が広すぎて、抽象的になってしまいます。
ターゲットがぼやけてしまい、アイデアを具体化させるのが難しくなる。
イメージがもやもやしていると、発想ももやもやします。
発想がもやもやしていると、アイデアも中途半端になる。
ある人の事情を考えると、別の人の事情が抜けてしまい、バランスを整えるのが難しくなります。
みんなのために考えると、抽象的なアイデアしか出なくなるのです。
では、どうするか。
アイデアを考えるとき「みんなのため」から始めるのではありません。
「1人のため」から始めましょう。
1人だけでいいので、明確にターゲットをイメージしてください。
身近な人でも、遠くの人でもかまいません。
その1人のために、徹底してアイデアを考えるのです。
みんなに喜ばれるアイデアは難しくても、1人に喜ばれるアイデアなら考えやすくなるでしょう。
1人をイメージすると、態度や表情といったイメージが具体的になります。
「たった1人のためでいい」と思えば、リラックスしながら落ち着いて考えることができるようになる。
ターゲットが明確になることで、具体的に想像でき、アイデアが出やすくなるでしょう。
「この人のために考える!」というターゲットが見つかれば、アイデア発想が成功したも同然。
1人のために考えると、具体的なアイデアが出るのです。