私たちの日常では、相手を否定する場面があります。
「あなたの考えには同意できない」
「あなたの生き方は間違っている」
もちろん明らかに相手が間違っているのなら、正しい道に導くため、説教することもあるでしょう。
厳しい言葉も愛情表現の1つ。
本気で大切な人にアドバイスするときならいいのです。
相手は、あなたの本気の言葉を受け止め、誤りを正すヒントにしてくれるでしょう。
しかし、やみくもに相手を否定するのはよくありません。
相手を否定する行為は、大変デリケートです。
自分の考え方を否定されると、その人のことが嫌いになります。
人は誰でも「褒められたい」「認められたい」「肯定されたい」という気持ちがあります。
そのため、自分を否定してくる人がいると、その人のことまで否定したくなります。
自分を攻撃してくる人は「敵」と見なし、無意識のうちに壁を作るようになります。
「ああ、この人とはわかり合えない」と落胆する。
心が閉ざされ、仲が悪くなり、距離を置きたくなる。
相手を否定すると、たとえ主張が正しくても、認めたくない心理が強くなって否定したくなります。
相手を否定すると、自分も否定されるようになるのです。
人間関係で大切なのは、否定より肯定です。
まず相手の考えや生き方を肯定しましょう。
否定するしかない考えや生き方でも、受け止め方を工夫して、まず肯定から入るようにします。
相手の考えに賛同できないなら「同意できない」ではなく「面白い考えだね」と言えばいい。
相手の生き方に同意できないなら「間違っている」ではなく「正直な生き方だね」と言えばいい。
言い方を少し工夫して、とにかく相手を肯定するようにしましょう。
どうしても否定したいときは、一度肯定した後に言うようにしましょう。
「なるほど。そういう考えもあるね。でも~だと思う」
こうした言い方なら一度肯定しているため、相手も納得して受け入れやすくなるでしょう。
あなたから相手に歩み寄り、できるだけ味方というアピールをすることです。
すると、だんだん相手は心を開いてくれるようになります。
「この人は自分のことをわかってくれる」と感じ、好意を持たれるようになるでしょう。
自分が肯定されたいなら、まず相手を肯定することから始めてください。
相手を肯定するだけですから、難しくはないはずです。
相手を肯定すると、自分も肯定されるようになります。