説得するとき、感情の出し方について注意があります。
「感情を見せるのはよくても、感情的になってはいけない」というポイントです。
「感情を伝えること」と「感情的になること」は、似ていますが違います。
感情を伝えることとは、自分の純粋な気持ちをありのまま伝えることを言います。
相手の立場を考えながら、自分の気持ちを落ち着いて伝えます。
感情的になることとは、理性と自制心を失い、感情がむきだしになっていることを言います。
相手の立場を考えずに、大声で叫んだり泣きわめいたり暴力を振るったりなどです。
説得するときに心がけたいのは、あくまで感情を伝えることであり、感情的になることではありません。
感情的になって説得しようとすると、相手は話の内容より取り乱した様子に注意を向けます。
集中が散漫になり、きちんとコミュニケーションができなくなります。
見つめるのはよくても、にらむのはいけない。
優しく手を握るのはよくても、強引に引っ張るのはよくない。
静かに涙を見せるのはいいですが、大声で泣くのはいけない。
「愛している」と伝えるのはよくても、狂ったかのように愛を叫ぶのはよくない。
落ち込んでいる様子を見せるのはよくても、自殺をほのめかしてはいけない。
感情的になった様子を見せると、お互いが話し合いに集中できなくなります。
未熟な印象まで与えるため、相手の失望感はますます深まるばかり。
感情を伝えるのはいいですが、伝え方には注意しましょう。
落ち着きを保ちながら感情を伝えるほうが、きちんと理解してもらえます。