笑顔は、人間関係の潤滑油です。
にこっと笑えば、相手との心の距離が近づき、親近感が持てますね。
私も、にこにこしている人が大好きです。
人付き合いが上手な人は、にこにこよく笑っています。
しかし、にこにこした笑顔はいいですが、にたにたした笑顔は苦手です。
にたにたした笑いには、軽い印象があります。
何か裏があるのではないかと感じてしまい、素直に笑顔を受け入れにくくなります。
にたにた笑っている人に重大な仕事をお願いできるかといえば、ためらいます。
にたにたしているばかりでは、頼りなく見えてしまうからです。
せっかくの笑顔でも、にたにたしていると、嘘のように見える。
いつでも笑っていればいいのかというと、そうではありません。
笑顔は大切ですが、逆に笑わないからこそ出る効果もあります。
大物感を演出させるためには、にたにたした顔を見せるのは、タブーです。
たとえば、法の最高権威である最高裁の裁判長が、にたにた笑っていたら頼りなく映ります。
軽薄な調子で判決文を読まれると「適当に決めた判決なのか」と思います。
最高裁の裁判長は、仏頂面だからこそ、力強く映ります。
警察官や自衛隊も、いつもは仏頂面だからこそ、緊張があります。
お釈迦様や観音様は、無表情だからこそ、神秘的です。
笑顔が不要な場面もあります。
大物ほど、普段は笑いません。
普段は笑わず、ときおり、にこっとします。
そうした笑顔が、さらに存在感を引き立てるのです。