「得をしたい」という気持ちはありませんか。
おそらく誰でも「ある」と答えるでしょう。
人間ですから「得をしたい」という気持ちがあるのは当然です。
むしろ必要です。
損より得をしたいと考えるのは、自然な人間心理です。
お金は可能性です。
少しでも人生の可能性を広げ、夢を実現させていくためにも、利益を考えながら生きることは必要です。
もちろん「得をしたい」という気持ちはあっていいのです。
注意したいのは「自分だけ得をしたい」という気持ちです。
「自分だけ」が加わると、意味が一変します。
自己利益優先の考え方になるからです。
「自分だけ得をしたい」は、自己利益優先の考え方です。
私たちが生きる世界には「似た者同士は自然と寄り集まる」という法則があります。
「類友の法則」「引き寄せの法則」とも呼ばれることもあります。
ここで1つ面白い現象があります。
「自分だけ得をしたい」と考える人は「自分だけ得をしたい」と考える人を引き寄せます。
つまり「自己利益優先の人は、自己利益優先の人と仲良くなる」ということです。
似た者同士で仲良くなる。
自己利益優先の人同士が一緒にいるとどうなるか。
騙し合いになるのです。
表面上は誠実そうに振る舞いつつも、相手を出し抜こうと目を光らせます。
仲がいいのは最初だけです。
親しくなってだんだん相手のことを知っていくと、自己利益優先の人だとわかってきます。
自己利益優先の考え方であることがわかってくるにつれて関係が悪化していきます。
自分だけ得をしようと考えていると、相手の口車に乗せられ、かえって騙されるのです。
もちろん人間関係もうまくいきません。
結局のところ、自分の利益しか考えていない状態です。
自己利益優先の考え方は、自然と顔にも言葉にも現れます。
浅ましくて卑しい目つきになります。
自己中心的な発言も多くなります。
そうした状態ですから、人間関係にもひびが入って友人も失います。
お金と人間関係の両方を失うことになり、二重の痛手を負うのです。
自分の利益ばかり考えないことです。
「自分だけ得をしたい」は、自己利益優先の考え方です。
学生時代まではよかったかもしれませんが、社会人として成果を挙げるなら、さらに進化させた考え方が必要です。
それが「ウィンウィン(Win-Win)の考え方」です。
「一方の利益」ではなく「双方の利益」を意識しましょう。
「自分の利益だけを考えず、お互いの利益を考えよう」ということです。
ウィンウィンの関係を心がけ、双方が納得できる状態にすることです。
お互いの利益を考える人は、お互いの利益を考える人を引き寄せ、知り合い、仲良くなります。
視野が広くなり、大局的な見方ができるようになります。
トラブルが減り、穏便な方法を見いだせます。
もちろん騙し合いとは無縁になります。
良好な関係も結べるので、交渉も人間関係もうまくいくのです。