不運な時代に生まれたことを嘆く人がいます。
「就職氷河期だったせいで、就職がうまくいかなかった」
「仕事がうまくいかないせいで、仕事も結婚も思うようにいかない」
「なかなか年収も上がらず、お金も貯まらず、将来は不安しかない」
「自分が悲惨な人生を送っているのは、生まれた時代が悪いからだ」
たしかに生まれた時代によって、生きる難易度が変わることがあるのも事実です。
生まれた時代が悪ければ、ほかの時代に生まれた人と比べて、就職や収入に苦労することがあります。
特にバブル経済崩壊後の不況を経験した人にとっては、不運の連続と感じるかもしれません。
就職に苦労する。
就職ができても、企業に余裕がないため、ほとんど教育されない。
ポストが限られているため、昇進にも年収アップにも恵まれない。
不安定な仕事や低い年収のせいで、結婚が難しい。
危機的状況に陥っていて、生きるのに必死という毎日。
困難を乗り越えるたびに、次の困難が待ち受けています。
人生そのものが「ハードゲーム」になってしまいます。
悪いことばかりが続くと、生きるのも嫌になります。
「私は、不運な時代に生まれてしまった」
「自分が生まれた時代は、恵まれていないことばかり」
「自分が不幸なのは、不運な時代に生まれたせいだ」
生まれてきた時代を嘆いたり悔やんだりしている人もいるでしょう。
中には、世の中に怒る人もいるかもしれません。
生きづらい世の中を感じることもあるはずです。
運の悪い時代に生まれたかもしれませんが、だから何なのでしょう。
生まれた時代を変えることは不可能です。
生まれてしまったものは、今さらどうしようもありません。
過去を変えることもできません。
映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』のように、過去にタイムスリップをして、未来を変えることは不可能です。
世の中に怒るのも場違いです。
経済は好況と不況が繰り返されるのと同じです。
上向きの時代もあれば、下向きの時代もあり、普通のリズムです。
生まれた時代が悪かったとしても、そういうタイミングだったというだけで、世の中は悪くありません。
もちろん両親も誰も悪くありません。
どうしようもないことです。
どれだけ怒ろうと、どれだけ文句を言おうと、生まれた時代が変わるわけではありません。
生まれる前から人生をやり直せるわけでもない。
怒るのもエネルギーを使います。
怒ることに貴重なエネルギーを使っていると、本業がおろそかになります。
生まれた時代を嘆いたところでますます気持ちが暗くなり、しんどくなるだけです。
不運な時代に生まれたことを嘆くのではありません。
不運な時代に生まれたことを嘆く暇があるなら、まず「今の競争」を勝ち抜きましょう。
あなたの目の前には今、競争があるはずです。
誰よりも優れた結果を出す。
誰よりも早く仕事を終わらせる。
すでに先を越されているかもしれませんが、1番でなくてもいいので、とにかく競争を勝ち抜きましょう。
どんなに厳しい時代でも、勝ち抜く人がいます。
厳しい時代に生まれたとしても、その競争に勝ち抜けば、関係ありません。
時間やお金が限られているなら、知恵と工夫を凝らしてください。
「不可能」と思ったら、まだ知恵と工夫が足りない証拠です。
考えるのではなく、考え抜くのです。
知恵と工夫で差をつけていれば、必ず競争に勝っていけます。
「何か方法があるはずだ」と脳に汗をかいて考え抜けば、何らかの光が見えてくるでしょう。
能力が人並み以下でも、諦める必要はありません。
能力が人並み以下なら、人の何倍も努力すればいい。
努力は、才能を勝ります。
才能で負けているなら、努力で勝ってください。
努力を積み重ねていけば、才能のある人より大きな結果を出すことも不可能ではありません。
どれだけ不運な時代に生まれようと、チャンスがゼロということはありません。
チャンスは少ないかもしれませんが、存在しているのは間違いありません。
時間はかかるかもしれませんが、希望を持って待ち続けていれば、必ずチャンスが巡ってきます。
そうすれば、不運な時代に生まれたとしても、挽回のチャンスが巡ってきます。
チャンスが少なくても、確実につかんで、しっかり生かせばいいことです。
しっかり努力して、競争を勝ち抜けばいい。
今そこにある競争を勝ち抜くのです。
生まれた時代を嘆く暇があるなら、そのエネルギーを仕事に回すことです。
不運な時代を嘆くのではありません。
不運な時代を利用してやるのです。
不運な時代だからこそ、人間力を養えます。
生きづらい世の中だからこそ、メンタルも鍛えられるでしょう。
そうすれば「不運な時代に生まれてよかった」と言える日がやってきます。