パナソニックの創業者、松下幸之助氏は、社員の首は切らないことで有名です。
一度入った社員はとことん教育し、技術とノウハウとスピリッツを惜しみなく与えます。
パナソニックのために働いてくれる社員を大いに愛し、人を育てるリーダーとして人望を集めます。
そのため幸之助氏は経営者としての素質だけでなく、部下を育てる哲学者としてもとても有名です。
幸之助氏の人望は、どんなことがあっても部下の首を切らないことで人望を得てきました。
もし社員ができない人間でも、すぐ首にしてしまうようでは、ほかの社員はいつも怯えながら仕事をしてしまうことになります。
そうではなくて、できなければできないなりに「何とかしよう」という姿勢が部下を安心させ、さらにやる気をかき立てます。
首を切らず、みんなで協力してやるからこそ「団結力」が生まれます。
この団結力は、首を切ってしまうようでは生まれません。
失敗しても切り捨てないことで、上司と部下との連帯感が生まれ、信頼できる関係になります。
たしかにいらない部下を切り捨て、仕事のできる新しい人と入れ替えたい気持ちもわかります。
しかし、そんなことをしていると個々の戦力は強くなっても、チーム全体としての戦力や団結力は強くなりません。
リーダーの仕事は「個々の戦力アップ」だけでなく「チームの戦力アップ」を図ることです。
チーム全体の戦力を上げるためには、上司への忠誠心より、チーム全体の「団結力」のほうが物を言うのです。