体内のカルシウムの99パーセントは、骨や歯に存在しています。
骨のほとんどは、カルシウムです。
人間の「柱」にあたる部分だけあり、大変固いのが特徴です。
カルシウムの摂取は、骨を丈夫にするためになくてはなりません。
そう聞けば、カルシウムさえ摂取すれば骨が丈夫になるだろうと早合点する人がいます。
しかし、そうではありません。
単にカルシウムだけ摂取しても、そのほとんどが尿や便などで体外へ排出されます。
きちんと骨に行き届き、吸着させるためには、ひとひねり必要です。
それが「運動」と「ビタミンD」です。
なぜ、運動が骨を丈夫にするのかというと「骨に適度な刺激を与える行為だから」です。
骨は、適度な刺激が加わると「強くなろう」とする性質があります。
宇宙飛行士が無重力状態の中で長期間生活をしていると、骨がもろくなるのは、骨に対して刺激がないからです。
骨に刺激を与えないと、骨密度はどんどん低下して、もろくなります。
刺激とはいえ、強いインパクトを与える必要はありません。
単に歩くだけで、十分な効果があります。
散歩は体全身を動かすことになりますから、足腰だけでなく、体全身の骨を丈夫にすることにもつながります。
もう1つ欠かせないのは「ビタミンD」です。
食べた物で得たカルシウムを骨に届けて、骨として固めるために、ビタミンDも欠かせません。
しかし、普段から散歩を習慣としているなら、さほど大きな心配をする必要はないでしょう。
ビタミンDは、紫外線を浴びることで体内に生成されるビタミンだからです。
普段、早朝や日中に散歩をしていれば、自然と日の光から適度な紫外線を浴びることになり、ビタミンDも体内で生成されます。
サンスクリーンを塗っていない状態なら、目安として「直射日光で5分ほど」「日陰で10分ほど」とされています。
紫外線は長時間あたりすぎると、しみやしわの原因になりますが、逆にまったく浴びないというのも問題です。
ほんのわずかでもいいので、日光を浴びるのは健康につながります。
それになにより、日光に当たることは、気分を高揚させてくれます。
バランスのいい食事でカルシウムを摂取し、運動をする。
このことで、骨は丈夫になるのです。