散歩といえば、まず「体を動かす」という肉体面でのイメージがあると思います。
足のつま先から頭のてっぺんまで動かしますから、ダイエットにも効果的です。
体力維持、健康維持のためにもよい印象があるのではないでしょうか。
しかし、実のところ散歩は、私たちの肉体以外にも、大きな影響を及ぼしています。
散歩は知らず知らずの間に、意外な部分を活性化させています。
脳です。
私たちの脳は、歩いているだけでも、無意識のうちにさまざまな刺激を受け取り、脳を活発化させています。
本来の散歩なら、歩くたびに風景が次々と移り変わります。
野道に咲く花を見たり、飲食店をガラス越しでのぞいてみたり、散歩をしている人とすれ違ったりするでしょう。
場所によっては、においの変化もあります。
野道なら草花のにおいがし、川のそばでは川のにおい、パン屋の前ではパンの香ばしいにおいがすることもあるでしょう。
見たり聞いたりにおったりなど、人間の五感を刺激するきっかけが多いです。
五感だけではありません。
散歩をしているときには、広範囲を移動することになります。
そのときの一般的な脳の活動を見てみましょう。
自分の場所を把握するため「空間認知」を刺激します。
歩いてきた道を「記憶」します。
分かれ道があれば、どちらの道を歩こうか「判断」します。
人や車が向かってくれば、ぶつからないように「注意」を払います。
体を動かしているうちに「気分転換」がされて、すっきりした気分になるでしょう。
散歩とはいえ、脳のさまざまな部位を刺激することになります。
こうした理由から、私は散歩を日常の習慣に取り入れることをおすすめします。
散歩は、最も単純でありながら、体だけでなく、脳も活発に活性化させる最高の手段なのです。