最初、散歩は大変です。
少し歩いただけで、筋肉痛になります。
私も社会人になり、自分がどんどん運動不足になりつつあるのがわかりました。
コンピューター関連の仕事をしていたので、これといって歩く仕事ではありません。
ほぼ1日中、座ってばかり。
太りすぎとはいかないまでも、次第に体の脂肪が気になり始めました。
自分の太りきった未来像が目に浮かんだ、そのときです。
「このままではいけない!」
自分の未来を変えようと一念発起して、会社の仕事が終わってから、歩いて帰るようになりました。
最初は「会社帰り」から、始めました。
帰りなら、家についてお風呂に入って寝るだけですから、疲れていても仕事への支障はありません。
しかし、です。
それでも最初の1週間は、大変だったのを覚えています。
片道だけでしたが、翌日から体全身が筋肉痛でした。
特に足の太ももは痛くてたまらず、よちよち歩きになっていました。
大人が、ようやく2本足で歩けるようになった赤ん坊みたいな歩き方です。
筋肉痛がひどいので、さっそく翌日から歩くのは中止。
筋肉痛が治まるまで待って、最初は5日に1日のペースでした。
それが3週間も経てば、不思議なことが起こり始めます。
いくら歩いても、筋肉痛にならなくなりました。
しかも片道だけでなく、往復3時間でも筋肉痛になりません。
なる気配すらない。
変化は、そればかりではありません。
初めは片道だけで疲れきって、散歩の後は動けないほどでした。
しかし、慣れてくれば、散歩をしても疲れにくくなります。
歩いて出社しても、会社で仕事をばりばりこなすだけの体力が十分残っているほどです。
この変化は、驚きでした。
人間の体というのは、鍛えれば鍛えた分だけ強くなります。
「体が慣れるだろう」というのは、ある程度予想していましたが、その予想をはるかに超えていました。
歩くのに必要な筋肉が足腰に備わり、体力もつき、疲れにくくなります。
筋肉痛が、懐かしくさえ思えるほどです。
「散歩が大変、歩くのが大変」という声を、よく耳にします。
しかし、それは、歩く習慣がないから、大変なだけです。
大変なのは最初だけ。
習慣になれば、まったく大変ではなくなります。
疲れなくなればなるほど、体力と筋力がついてしまうのです。