シンデレラは、帰りの階段でガラスの靴を落としました。
約束の12時が迫り、急いで馬車に戻ろうとします。
帰りの時間に遅れてしまえば、魔法が解けてしまい、大変なことになってしまいます。
時間に間に合うかどうかという局面で、うっかり靴を落とすなんて、注意不足にも程があります。
よりによって一番大事な場面で、初歩的なミスをしてしまったのです。
ところが、そこから不思議な巡り合わせが起こります。
王子様がガラスの靴を拾い、それを手がかりにシンデレラを探すことになったのです。
もしシンデレラがすべてを完璧にこなしていれば、普通に帰って、普通に終わっていたでしょう。
シンデレラがチャンスをつかんだのは、完璧ではなく、おっちょこちょいだったからです。
チャンスをつかむには、完璧でなければいけないと思われがちです。
それは誤解です。
チャンスをつかむなら、完璧より、おっちょこちょいのほうがいいのです。
あなたにも、おっちょこちょいなところがあるかもしれません。
おっちょこちょいは、直さなければいけないと思われがちですが、その必要はありません。
おっちょこちょいなら「それで良し」としましょう。
もちろんおっちょこちょいな自分も好きになってください。
何でも完璧にできるより、ちょっとミスや失敗をするくらいのほうが、愛らしくて人間味があります。
そもそも人間は完璧な生き物ではないのですから、おっちょこちょいがあって普通といえます。
おっちょこちょいには、予定調和を崩す働きがあります。
おっちょこちょいを大切にすれば、あるとき意外な展開がもたらされ、思わぬチャンスに恵まれるでしょう。
小さな失敗は、思わぬ成功につながる階段なのです。