時に私たちは、厳しい現実に直面することがあります。
そんなときに行うのが「妥協」です。
妥協は私たちの生活に身近なものです。
条件を緩めたり要求の一部を下げたりなど、妥協点を見いだすことで、上手に折り合いをつけていきます。
ただし妥協とはいえ、大きく2種類あります。
「安易な妥協」と「必要な妥協」です。
どちらも同じ妥協ですが、似て非なるものです。
安易な妥協とは、感情に流された、思慮の浅い妥協のことをいいます。
「面倒くさいから」
「なんとなく嫌だから」
「たまたまだったから」
考えるのが面倒だったり、乗り気ではなかったりすると、つい中途半端な気持ちで妥協しがちです。
しかし、安易な妥協はよくありません。
考えが浅いため、目先のことしか見ていません。
安易に妥協すると、一時的にはよくても、重要なことまで失うことになるでしょう。
「全部譲るよ」「もうどうでもいい」という流れが生まれます。
話が不本意な方向に流れていくでしょう。
気づけば「こんなはずではなかった」という結末を迎えます。
安易な妥協の先にあるのは後悔です。
妥協をしすぎてしまい、後から「しまった!」と悔やむことになるのです。
「努力は必ず報われる」
「どんな夢でも必ず叶う」
世間ではそうした声が聞かれますが、過信しないことです。
努力は報われるとは限りません。
どんな夢でも叶うとは限りません。
残念ながら、報われない現実があるのも事実です。
健全な生き方をするなら、現実とうまく折り合いをつけていく必要があります。
わがままばかりも言っていられません。
不可能な夢を追いかけるばかりではいけません。
いつまでも意固地になっているのは、ただの頑固です。
お金も時間も有限です。
限りあるリソースを有効に活用するために、時に現実と折り合いを見いださなければいけないことがあります。
そこで大切になるのが「必要な妥協」です。
私たちは時に、妥協しなければいけない場面があります。
現実的に困難な夢や目標は、固執をするのではなく、きちんと現実を見たうえで折り合いをつける必要があります。
必要な妥協はあくまで不可欠なことなので、後悔することがありません。
上手に現実と折り合いをつけることができます。
人間関係では譲り合いが大切であるように、人生もまた譲り合いが大切です。
必要な場面では、譲り合いながら妥協点を見いだすことが大切です。
「ちょっと残念だけど、これでよかった」と心の整理がつきます。
妥協をするなら「必要な妥協」をしましょう。
必要な妥協によって、突破口が開けます。
行き詰まるくらいなら、回り道や遠回りになってもいいので、駒を前に進めるほうがいい。
必要な妥協は、スムーズに生きていくための処世術です。