記憶力が高まるのは、正解したときではありません。
間違えたときです。
間違えたとき、心の中で「しまった!」と思います。
驚いたり焦ったりショックを受けることで、感情が刺激されます。
この瞬間、脳では「海馬」と呼ばれる記憶領域が一時的に活性化します。
その結果、間違えたことは印象に残りやすくなって、よく覚えられるのです。
「間違えるのが恥ずかしい」と思っていると、なかなか覚えることができません。
恥を恐れて間違いを避けることは、記憶の効率を下げることになります。
そのため、何かをよく覚えたいと思うなら、よく間違えることが必要です。
英会話の習得が早い人は、よく間違える人です。
単語や文法の間違いは日常茶飯事。
発言するたびに、講師から「ここが違うよ。こうするんだよ」と間違いを指摘されますが、そのたびに使い方を覚えます。
たくさん間違えた分だけ、英会話の実力がぐいぐい伸びていきます。
恥を恐れずたくさん間違える人は、すさまじいスピードで英会話能力が上達していきます。
プログラミングの習得が早い人も、よく間違える人です。
プログラムは、1つでもミスがあると、正しく動いてくれません。
エラーを出しては見直して、またエラーを出しては見直します。
「おかしいな」
「ここを間違えた」
「あそこに漏れがあった」
習うより慣れたほうが、習得も早い。
何度もエラーに頭を悩ませながら、プログラムの構文や使い方を覚えていくのです。
しっかり覚えたければ、たくさん間違えましょう。
間違えないよう注意していると、かえって覚えにくくなります。
覚えることは可能であっても、手間も時間もかかって効率が悪くなります。
恥を恐れる必要はなし。
たとえ恥をかいたとしても、翌日には何事もなかったかのように忘れているでしょう。
間違える恥を恐れるより、なかなか覚えられないことを恐れたい。
むしろ恥を恐れて間違えないようにしている姿勢を恥ずかしく思いたい。
恥を恐れずどんどん間違っている姿は、かっこいい姿です。
見栄もプライドも捨て、恥を覚悟の上、必死で目的を達成しようとしている姿として映るからです。
さあ、たくさん間違えましょう。
早く覚えたいなら、間違えにいくくらいでちょうどいい。
「さあ、たくさん間違えるぞ」と思いながら取り組むのが正解です。
自分からよく間違えるような機会を作ると、記憶効率がさらに向上します。
一番よく間違える人が、一番よく覚えるのです。