想像力を鍛えるには、小説が有効です。
実用書でもビジネス書もいいですが、小説は物語が中心のため、想像力を働かせる機会が多くなります。
作品の規模は問いません。
長編小説である必要はなく、短編小説やライトノベルでも効果的です。
ジャンルも問いません。
SF小説・ミステリー小説・恋愛小説・歴史小説など、好みの小説を選ぶといいでしょう。
作品の規模やジャンルは自由ですが、このとき、1つ意識しておきたいポイントがあります。
徹底的に想像力を働かせるなら「挿絵のない小説」が有効です。
挿絵のある小説のほうが見やすくてわかりやすいですが、ここに落とし穴があります。
挿絵は、見るだけでいいので楽です。
挿絵のある小説のほうが、面白くてわかりやすく感じるでしょう。
描かれている主人公も、挿絵があれば、具体的に想像できるようになります。
できるだけたくさん挿絵があったほうが、読みやすく感じることでしょう。
しかし、読みやすくなるメリットがある一方、隠れたデメリットがあります。
挿絵があると「想像に正解がある」という状態になります。
挿絵によって「こういうものだ」という条件が与えられ、そこで想像が固定されます。
想像の世界が制限されて、かえって想像力を鍛えにくくなるのです。
したがって、想像力を鍛えるなら、挿絵のない小説がベストです。
得られる情報は文字だけです。
挿絵がないと、文字からすべての場面を想像するしかありません。
「挿絵がない」という不便は「自由に想像してよい」という自由に変わります。
自由の都合で、自由に好きなだけ想像できる。
このとき、どんどん想像力が鍛えられているのです。
たとえば「雲の中から怪獣が現れた」という一節があるとします。
雲は、小さな雲でも大きな雲でもいい。
怪獣は、赤い怪獣でも青い怪獣でもいい。
怖い怪獣でもなくても、かわいい怪獣でもOKです。
挿絵がないからこそ、どんな想像でもOKです。
完全にあなたの自由であり、無限の世界が広がっています。
想像が間違っていても、誰かに怒られることもありません。
挿絵がないことで、たっぷり想像力を働かせることになります。
挿絵がない物語なら何でもOKです。
長編小説・短編小説・ライトノベルでもかまいません。
子ども向けの児童書でも、挿絵がなければOKです。
見た目は地味で質素ですが、想像力を働かせるならベストの環境です。
挿絵のない小説は、想像力を鍛える最高の教材なのです。