ある日、職場に行くと、やけに髪の毛がぼさぼさの同僚がいました。
「どうしたの?」と聞くと「仕事が忙しくて、昨日は家に帰っていない」と言います。
仕事で大きなトラブルが発生した関係で、緊急でやらなければいけない仕事ができ、家に帰れなかったそうです。
同僚は泣きそうな顔をしています。
彼の根気のある頑張りで、トラブルは何とか乗り越えた様子でした。
彼の努力には、頭が上がりません。
ただし、気になったことがありました。
体臭です。
一晩でもお風呂に入らないと、体からは汗のにおいがひどく漂うようになります。
しかもその職場は、普段からとても暑苦しい職場だったので、特に汗のにおいがすごかったのです。
無視すればいいと思いますが、限度があります。
彼の体臭は、限度を超えるものでした。
彼の一生懸命さは「素晴らしい」と思いましたが、体臭だけは受け付けなかったのです。
あまりの体臭に、さすがに近寄りにくかったのです。
ひどい体臭も、限度を超えると仕事に支障を来します。
近寄れない。
その日だけは、誰も彼に近寄ろうとしませんでした。
もちろん仕事の関係で、家に帰れず、大変だったのはわかります。
しかし、お風呂に入ることはできなくても、せめて濡れたタオルで体を拭くくらいはできるはずです。
それだけでも、体臭はずいぶん改善されるのです。