「屋外より室内で飼うほうが、犬はぼけにくい」という研究データがあります。
室内で飼うと、飼い主がいつもそばにいることになります。
自然とスキンシップの量も増えやすくなります。
常に飼い主がそばにいるので、孤独に弱い犬にとっても安心して暮らすことができるはずです。
もし、家族で住んでいる家庭なら、なおさらいい環境です。
父や母、そのほか子どもや祖父や祖母など、数多くの人が遊び相手になってくれます。
そういう多くの人に囲まれている環境のほうが、自然とスキンシップにも恵まれやすくなります。
それに比べて屋外はどうでしょうか。
一見、屋外のほうが自然のように思えますが、一概に言えません。
外にいますから、通りを歩く人や車を見かけたり、空を飛んでいる鳥や虫などを目にしたりできることでしょう。
しかし、リードでつながれているため、目にすることはできても、触れられるわけではありません。
見ることはできても触れられないのは、犬にとっても不満がたまりやすくなります。
なにより屋外の場合、飼い主と触れ合える機会が限られています。
散歩のときと、飼い主が家から出入りするときくらいしか接する機会がないので、スキンシップが少なくなりがちになります。
孤独が苦手な犬には、なかなかつらい環境のようです。
しかし、屋外だからとはいえ、突破口はないわけではありません。
飼い主とのスキンシップを室内と屋外とで単純に比べたとき、屋外のほうが少なくなりがちというだけです。
大切なことは「量」より「質」です。
意図的に飼い主が外にいる犬に会いに行けば、短い時間でも、スキンシップを増やすことができるはずです。
「1人じゃないよ」「寂しくないよ」ということをわからせ、屋外でも濃いスキンシップをすればいい。
屋外でもぼけにくい犬へと育てることができます。
時間の長さより、どれだけ質の高いスキンシップができるかにかかっているのです。