脳の神経細胞の働きを活性化する大変注目されている物質があります。
DHA(ドコサヘキサエン酸)とEPA(エイコサペンタエン酸)です。
この物質は、脳の神経細胞の情報伝達をスムーズにして、記憶力の効果やぼけの防止に効果があるとされています。
受験や資格取得の際に、サプリメントとして口にする人も多いようです。
もちろん人間に対してだけでなく、犬に対しても効果があります。
特に、マグロ・サバ・イワシなどの魚肉に多く含まれています。
この2つの物質には、細胞組織を大きく傷つける作用を持つ「活性酸素」を抑制する働きも確認されています。
活性酸素を抑制できれば、免疫力の維持・がんの抑制・老化防止など、さまざまな効果が期待できます。
認知症の予防だけでなく、老化の防止にもつながる素晴らしい栄養素といっていいでしょう。
「よし。じゃあ今日から犬の餌に魚の肉を与えよう」
おっと、ちょっと待ってください。
ここからが大事なポイントです。
たしかに魚には、犬の脳を活性化させるDHAやEPAが含まれていますが、犬に有害な物質も含まれています。
生の魚の内臓には、犬のビタミンB1を破壊する酵素が大量に含まれています。
少量なら問題ありませんが、与え続けていると、ビタミンB1の欠乏が深刻になります。
その結果、元気をなくしたり、脚気になったりする可能性があります。
この酵素は熱に弱いので、加熱をすれば犬でも問題なく食べられるようになります。
しかし、都合が悪いことに、DHAやEPAは熱に弱い性質があります。
揚げ物にすると、生のときに比べて50パーセントほど失われ、焼いたり煮たりすると80パーセントまで失われます。
熱を通せば、犬も魚を食べられますが、肝心のDHAやEPAの大半が消失します。
うまく摂取する方法はないのでしょうか。
実は、単純な方法があります。
市販されているDHAやEPAのサプリメントを、普段の犬の餌に含めてやればいい。
DHAやEPAは、犬用も人間用も区別はありません。
サプリメントの液体を、少し餌に混ぜてやるだけで、味を保ったまま手軽にすぐ健康食に変えることができます。
もちろん自分が口にしても結構です。
人の健康にも犬の健康にも効果があるDHAやEPAを、ぜひご活用してみましょう。