私は、できるだけ読者に理解できるような、わかりやすい文章を心がけています。
もし、読者が理解できないなら、私の責任です。
専門的な言葉や省略した言い方などに問題があります。
専門用語も当たり前のように使ってしまうのはよくありませんね。
自分が当たり前だと思っていることは、省略した言い方になってしまいがちです。
専門用語や省略が、説明をわかりにくくさせ、読者の理解を妨げている原因になっています。
読者が悪いということは1つもありません。
私がいけません。
知っている人から知らない人への立場ですから、知らない人の立場に立つことが仕事だと思っています。
これは参考書にも当てはまります。
参考書を書いている人は、その専門分野にたけたプロです。
「知っている人」が「知らない人」へ向けて教えています。
もし、読者が一生懸命に理解しようと努力しているにもかかわらず理解できないなら、悪いのは説明している側です。
専門分野を熟知した専門家は、難しい言葉を当たり前のように使ってしまい、説明も省略が多くなります。
「これくらいは当然知っているだろう」という前提で考えてしまうからです。
事実、そういう読者のことを考えずにいる著者はいます。
知らない人の立場になって考えて説明するという努力が足りない。
知っている人は、単に教えればいいわけではありません。
「わかりやすい」という付加価値をつけて教える必要があります。
それが優れた教師の条件です。
知っている人が知っていることを口にするなら、難しいことではありません。
本当に難しいことは「いかにわかりやすく説明するか」です。
ここが教師の実力を発揮する瞬間です。
よい参考書といわれる条件になります。