事実は同じでも、表現の仕方を変えるだけでまったく異なる印象を持ってしまう方法があります。
事実をまったく変えず、印象をがらりと変えてしまうことは、可能です。
たとえば、ある野球チームで5回戦って、次のような成績を持つチームがいました。
「2勝3引き分け」
2勝はしているものの、まだ負けてはおらず、しかし3回引き分けているという中途半端な成績です。
強いとも弱いとも言えず、どちらの印象も微妙なところですね。
しかし、これを数字のトリックを使って表現を変えると、強いチームという印象へと早変わりしてしまいます。
「5戦無敗」
さあ、いかがでしょうか。
無敗という言葉を使って、負けたことがないことを強調するだけで、強いチームへと印象が変わってしまいました。
成績や事実はまったく変えていません。
しかし、言葉の表現を変えるだけで、これほど印象が変わります。
私たちは、表現ではなく、言葉の奥にある事実をありのまま見る癖をつけなければいけません。
「タウリン1グラム配合」という表現と「タウリン1,000ミリグラム配合」という表現も、また同じです。
「タウリン1,000ミリグラム配合」のほうがたくさん含まれている印象がありますが、どちらも同じ量です。
表現ばかりを見聞きしていると、言葉を巧みに操った広告に惑わされます。
時には、金銭的に騙される可能性さえあります。
「なぜかお金が貯まらない」
そう思ったら、日常生活における数字についてチェックしましょう。
どこかで惑わされたり、騙されたり、勘違いをしている可能性があります。
言葉ではなく、事実そのものをきちんと見て判断する癖をつけましょう。