人間には「切りのいい数字が好き」という傾向があります。
切りのいい数字のほうが、見た目もシンプルであり、覚えやすくなるからです。
あなたが友人と待ち合わせの時間を話し合ったとき、切りのいい時間を選んでしまうはずです。
7時56分より、8時ちょうどです。
切りのいい時間を選ぶと、お互いに覚えやすくなり、忘れにくくなります。
さて、きりのいい数字の持つ力を逆手に取る方法があります。
商売における数字も、切りのいい数字にするほうが売り上げは伸びる傾向があります。
たとえば自動販売機に、まったく同じジュースが、99円と100円という値段で売られていた場合、あなたはどちらを選びますか。
100円のジュースのほうが売り上げは伸びてしまいます。
100円より99円のほうが1円だけ安いのですが「100」という数字を見ると、すっきりした印象を持ちます。
100という区切りだけで安心してしまうのが、人間です。
99という区切りの悪い数字は、1円安いにもかかわらず、すっきりした印象を持ちません。
また99円だとお財布から小銭を出し、おつりを受け取るときにも小銭が返ってくるため、小銭の出し入れの手間が増えます。
したがって、100という切りのいいほうを選んでしまいます。
値段が高いほうが売れてしまうというこの不思議さ。
これこそ、数字の面白いところです。