ときどき「家族のために、働いているんだぞ」という言葉を口にするお父さんがいて、驚くことがあります。
口にしている側は「当然だ」「当たり前だ」と思っているようですが、耳にする側には違和感を覚えます。
「家族のために」という言葉は、他人に責任を押し付けている感じがするからです。
偉そうな感じです。
「私(子ども)は頼んでいない。それより自分のために働けば?」
そう思います。
偉そうに言われると、子どもとしても「こっちだって別に頼んでいない」と、つい反発心が生まれてきます。
「家族のために働いているんだぞ」という言葉は、実際はそうでも、言ってはいけない言葉なのです。
言った瞬間から、父としての威厳は下がります。
子どもは「家族のために働かされているかわいそうで哀れな父」として映るようになります。
好きでもない仕事を、つまらなさそうな顔をして仕事をしている姿は、子どもは「尊敬」や「威厳」として見ません。
「かわいそう」というふうに見てしまい、哀れな雰囲気が漂う父として映ってしまいます。