私の父は、どんな選択であろうと、子どもの意思なら何でも許してくれました。
昔から、よくこんな言葉をかけてくれました。
「貴博の好きなようにやれ」
「貴博のやりたいことをやればいい」
「そうしたければ、そうしなさい」
「好きにすればいい」
すべてを私の判断に委ねてくれ、子どもの気持ちを第一に考えてくれる父親でした。
「どうすればいい」と聞いても「貴博が好きなようにすればいい」と必ず答えます。
昔から、判断はすべて、私に任せていました。
こういう言葉により、私は個性を伸ばしていくことができました。
教育という言葉は、英語で「educate」と言います。
本来「educate」という言葉には「引き出す」という意味があります。
「教育とは、子どもの特徴や特性を引き出し、生かすことである」という意味です。
私の父が「好きなようにやれ」と言った言葉は「放任」ではなく「教育」だったのです。
子どもに判断を任せることで、子どもでも考えるベストな判断をします。
やりたいことをやらせることより、自分で道を切り開く癖がつき、個性がどんどんと伸びていきます。
好きなことをしてこそ、やる気や集中、根気が出て、もともとあった個性がさらに顕著になります。
私がクラブ活動を選ぶとき、進路を考えるときも「貴博の意思に任せる」と言いました。
「アメリカへ留学したい」「東京で仕事をしたい」という決断も、許してくれました。
自分の息子が、親元を離れることはさすがに抵抗があったでしょう。
しかし、それでも許してくれた親は本当の教育を知っていたのだと思います。