執筆者:水口貴博

尊敬される父親になる30の条件

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子育てにも「守破離」がある。

子育てにも「守破離」がある。 | 尊敬される父親になる30の条件

「守破離」という言葉を聞いたことがありますか。

不白流茶道を開いた川上不白が、著書『不白筆記』の中で、茶道の習得段階を記した言葉です。

茶道における成長段階を「守」「破」「離」という3段階に分けて、説明しています。

初期の段階では、師匠の言うことを、1から10まで徹底的に、守ります。

次の段階では、自分の個性を優先した向上のために、師匠から教わったことを、一転して破るようになります。

最終段階では、師匠から離れていくようになります。

守り、破り、離れていくという3段階は、茶道に限らず、ほかの武道にも通じます。

意外なことに、親子の関係においても、同じことがあります。

生まれてようやく立つことができるようになった子どもは、親の言うことを守ります。

何も知らない子どもですから、親の言うことに従い、言葉遣いやマナーなどを教わります。

生まれて間もない子どもですから、この親の言うことを守るという段階は、重要です。

一番の土台であり、基本、基礎になります。

しかし、さらに成長すれば、親の言うことを破るようになります。

非行に走る意味ではありません。

成長したがゆえに、親より素晴らしい学びを優先するようになるということです。

個性は親らしさとは異なります。

自分を深く掘り下げ、追求した結果、親からの教えを破るようになるのです。

世間は変わりますから、親の教えが今の世の中でもすべて通じるかといえば、疑問です。

少なからず親の言うことにも、時代遅れの部分があります。

あるいは、学びの段階において、親より優れた学びを見つけたというときもあるでしょう。

成長の活発な子どもには、強い吸収力があります。

親より早い成長のため、親の言うことを破るようになるのです。

親の言うことを破るようになったということは、もっと素晴らしい教えを見つけたということです。

親としては喜ぶべきこと。

さらに成長をすれば、どうなると思いますか。

子は、親から離れたくなるのです。

親が嫌いになって離れたくなるのではありません。

もっと成長を求めるがゆえに、自立しようとするのです。

巣立ちであり、自立を求め始めます。

親がいつまでもそばにいては、少なからず束縛があります。

束縛は、成長の妨げになり、障害となってしまうから、子どもは親から離れていきたがるのです。

家を飛び出し、一人暮らしをしたがるようになります。

これが、子育てにおける「守破離」です。

見てのとおり「守→破→離」と後の段階になるにつれて、だんだん親に対して反発をするようになります。

それは、非行を見てしまいがちですが、そうではない。

成長しているのです。

成長は反抗に見えてしまいますが、この成長するにつれて、親に反発し、最後には離れたくなるものなのです。

親離れをしたがり始めた子どもを、親は歓迎しなければならないのです。

尊敬される父親になる条件(13)
  • 反抗期を迎えた子どもに、喜ぶ。
親に反抗する子どもを、喜ばないといけない。

尊敬される父親になる30の条件

  1. 教育される側になるほうが、尊敬できる父親が見える。
  2. 母のことを大切にしている父親を見て、子は育つ。
  3. 「熱心に教える姿勢」と「放任できる姿勢」は、セットである。
  4. 命令で育ててはいけない。
    アドバイスで育てること。
  5. 積極的な親からは、積極的な子が育つ。
  6. 家族旅行で、家族全体が成長する。
  7. 寡黙な父には、威厳がある。
  8. 感謝のできない父親は失格。
  9. 「優しさ」と「怒り」は、同じ愛の表現である。
  10. 父は言葉で指導しない。
    行動で指導する。
  11. 「家族のために働いている」と、言ってはいけない。
  12. 仕事で帰りが遅くなっても、家族の記念日には早く帰ること。
  13. 子育てにも「守破離」がある。
  14. 親に反抗する子どもを、喜ばないといけない。
  15. 「親離れ」だけではない。
    親も「子離れ」をしないといけない。
  16. 父が子にできることといえば、父としての手本を見せること。
  17. 子どもが遠くに離れても、目には見えない糸でつながっている。
  18. 子どもが間違っても、怒鳴らない父になる。
  19. 教育は、怒鳴ることではない。
    叱ることである。
  20. 疲れがたまった休日は、家族で温泉に出かけよう。
  21. 妻に子育てを任せている家庭は、うまくいかない。
  22. 車の運転の仕方に、父の本性が現れる。
  23. 父は、妻をけなしてはいけない。
  24. 褒めるお父さんが、尊敬される。
  25. 子育てをする親は、調教師と似ている。
  26. 褒める教育ができない理由は、自分と両親との過去にある。
  27. 尊敬される父は「頑張れ!」とは言わない。
    「楽しんで!」と応援する。
  28. 子どもに好きなことをやらせよう。
  29. 子どもから嫌われることが、父親の仕事。
  30. 子どもを手放せる親こそ、本当に愛の深い親。

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