父として子どもにできることといえば、手本を見せることです。
前向きな姿勢という手本です。
手本を見せることでしか、子どもに対して姿勢、威厳をアピールすることはできません。
誰より強くかっこよい父を見て、子どもは憧れ、尊敬するようになります。
一生懸命になっている父は、ゲームで勝っても負けてもかっこいい。
子どもは父から「一生懸命さ」を学び「積極性」を学び、同じようになりたいと思うからです。
父が「こうしろ、ああしろ」というふうには育ちません。
父がすることを、そっくりそのまま真似するようになります。
一生懸命になっている父を見て、かっこよく感じ、憧れを抱くようになるからです。
政治家の息子は政治家になりやすいといいます。
環境やお金持ちという条件が揃っているだけでなく、政治家として働く父の姿に憧れたからです。
医者の子も医者になりやすいと言います。
医者として人を一生懸命に治療する父を見て、子どもは感動し、同じような道に歩みたいと思うからです。
スポーツ選手の子も、スポーツ選手としての道を歩みやすい。
アニマル浜口の娘、浜口京子さんも、父と同じ道を歩んでいます。
かくいう私も、父と似ている道を歩んでいます。
父は、機械系の仕事をしていたため、機械関係には強かった。
部品を組み立てたり、修理したりしている父がいつもそばにいたから、機械に対していつの間にか抵抗がなくなっていました。
パソコンで仕事をしている父は、楽しそうに見えました。
楽しそうだったから、私もパソコンに触れるようになり、気づけば、IT業界という父の道と似ている進路を選んでいます。
父の背中を見て、自然と憧れを抱き、無意識のうちにそうした進路を選んだのです。
父からは「将来はこうなりなさい」とは、まったくの一言も言われていません。
しかし、父が父としての手本を見せてくれただけで、十分に学びがあったのです。