ちょっとあなたにテストです。
あなたの前には大勢の人がいます。
1,000人もの大勢の人があなたを注目しています。
そんな大勢の人の前で、あなたにこれをやってほしい。
「丸い円を描いてください」
あなたは、言われたとおりに黒板に丸い円を描くことでしょう。
みんなの前で大きな丸(○)を、描いているところを想像しましょう。
みんなが、あなたが描く丸の形に注目しています。
こんなとき、あなたは必ずこういうことを考えながら丸い円を描くはずです。
「きれいに、丸をかかなきゃ」
「うまくかけなかったら、どうしよう」
客観的に見ると、面白いことですよね。
これが人間の心の厄介なところです。
私はきれいな丸をかいてくださいとは言っていません。
しかし、たくさんの人を目の前に、あなたは自動的に人の目を意識してしまったはずです。
人の前に立つと、人目を気にしてしまうのが人間なのです。
「気にしないように」と頭ではわかっていても、なかなか簡単にできることではありません。
しかし、1人になり、丸をかくときにはどうでしょうか。
自然に、力を入れることなく、丸が描けるはずです。
人目を気にする気持ちもなく、恥ずかしがる気持ちもなく、ただ丸の形をさっと描けます。
不思議ですよね。
自分が自分らしくいるためには「1人になること」が必要なのです。
たった1人でもそばに人がいると「下手だと思われたくない」という気持ちが発生して、自分の心が乱れます。
1人で買い物をする。
1人で勉強をする。
1人で出かける。
1人になるというのは、自分が自分らしくいるために、なくてはならない習慣なのです。