私は故事ことわざ辞典が大好きで、日頃からよく読んでいます。
愛読書は『故事ことわざの辞典(あすとろ出版)』です。
およそ3,000の故事ことわざが掲載されていて、読み応えがあります。
レイアウトが見やすく、解説もわかりやすい。
さらに出典・同義語・類義語・豆知識なども掲載されていて面白いのです。
辞書としての活用というより、もはや読書感覚で読んでいます。
本棚に常備している本の1つです。
ことわざ辞典を眺めていると、あることに気づかされます。
「発言に関することわざの多さ」に気づかされるのです。
「口は禍の門」
「禍は口から」
「舌は禍の根」
「舌の剣は命を断つ」
「物言えば、唇寒し、秋の風」
「三寸の舌に五尺の身を亡ぼす」
「物は言い残せ、菜は食い残せ」
「病は口より入り、禍は口より出ず」
「吐いた唾は呑めぬ」
「口から出れば世間」
「駟馬も追う能わず」
「人の口に戸は立てられぬ」
「胸三寸に納める」
「雉も鳴かずば打たれまい」
それぞれ表現は異なっていますが、いずれも言わんとしていることは同じです。
「口にする言葉には注意しましょう。さもなくば、取り返しのつかないことになりますよ」を意味しています。
「失言で失敗するケースは昔から多かったのだなあ」と痛感させられます。
発言に関することわざがこれほど多いということは、それだけ昔から、発言の難しさに悩まされてきた証拠です。
そしてそれは今でも同じことです。
話すのは簡単です。
思ったことをさらっと言えてしまいます。
言い過ぎてしまった経験、うっかり口が滑った経験は、誰にでもあります。
だからこそ注意が必要です。
うっかり口にした一言によって、トラブルを招くことがあります。
時には地位や財産を失うなど、大きな災いをもたらすこともあるのですから、これほど恐ろしいことはありません。
軽はずみな発言によって辞任に追い込まれた政治家は少なくありません。
「口が滑りました。ごめんなさい」では済まされないこともあります。
後から発言を撤回しても「発言をした事実」は残ります。
今この瞬間も、どこかの政治家が軽はずみな発言により、苦境に立たされているかもしれません。
失言とはそれだけまでに恐ろしく、慎重さが求められるということです。
発言をする前には、一呼吸置きましょう。
口にする前に、一歩引いて考える余裕を持ちたい。
「これを言ってもいいだろうか」「誰かを傷つけないだろうか」「余計な一言ではないだろうか」と。
早口になると口が滑りやすくなるため、ゆっくりと穏やかな口調を心がけるのが良いでしょう。
特に重要な場面では、発言前に一呼吸も二呼吸も置くことが欠かせません。
発言の重要性は、ビジネスでもプライベートでも共通です。
ささいな失言によって、思わぬトラブルを招くことがあります。
何気ない発言が、誰かを深く傷つけることもあります。
発言は、注意してもしすぎることはないのです。